「かぜん」考(5) 青空文庫から・後編

前回は横光利一が大正時代に書いた文章から「がぜん」の意味を見てみましたが,今日は昭和に入った文章から。 「美しい家」 横光利一 だが、秋が深くなると、薔薇が散つた。菊が枯れた。さうして、枯葉の積つた間から、漸く淋しげな山茶花がのぞき出すと、北に連なつた一連の暗い壁が、俄然として勢力をもたげ出した。私はかぜを引き続つゞけた…
コメント:2

続きを読むread more