Haiku in English on Sunday (63) 春風やまりを投げたき草の原

日曜日は俳句の紹介と英訳。
昨日,日本シリーズがここ仙台で始まりました。
海の向こうではワールドシリーズが始まり
日本人選手も活躍しています。
今日は「野球」と正岡子規についてです。
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明治に日本に野球が入ってきて間もない頃
子規は野球に熱中します。

大学に進学するため,子規は松山から東京に出てきていました。
捕手(キャッチャー)だったそうです。
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Baseball を「野球」と訳したのは子規だという記述を
見かけることがありますが,これは間違いのようです。

子規は雅号(ペンネーム)をたくさん持っていました。
その中のひとつにたまたま「野球」という雅号があったからです。

子規の本名は常規(つねのり)。
幼名は処之助(ところのすけ)で,のちに升(のぼる)と改めます。

のぼる → の・ボール → 野球
ということで「野球」(のぼーる)という雅号を考えました(笑)。

これはなんと第一高等中学校の野球部員,中馬庚
「ベースボール」を「野球」と翻訳する4年前の1890年なんです!

つまり,読み方・意味は違うけど
「野球」という言葉を最初に使ったのは子規なんです。

子規の野球好きは間違いなく,多くの野球用語を考えました。
「打者」「走者」「直球」「死球」などは子規が考えたそうです。

そんな子規を記念して東京の上野には
子規の名前をつけた野球場があります。
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また,野球に関係する俳句や短歌を多く残し
野球の普及に貢献したということで
2002年には野球殿堂入りを果たしています。
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殿堂ホールは東京ドームに併設されています。
一度だけ入ったことがありますが,2002年前だったかもしれません。

子規が残した野球俳句です。

春風やまりを投げたき草の原 (「筆まかせ」明治23年)
まり投げて見たき広場や春の草 (「寒山落木」明治23年)
恋知らぬ猫のふり也球あそび (「寒山落木」明治23年)
球うける極秘は風の柳かな (「寒山落木」明治23年)
若草や子供集まりて毬を打つ (「寒山落木」明治29年)
草茂みベースボールの道白し (「寒山落木」明治29年)
夏草やベースボールの人遠し (「俳句稿」明治31年)
生垣の外は枯野や球遊び (「俳句稿」明治32年)
蒲公英やボールコロゲテ通リケリ (「仰臥漫緑」明治35年)

秋の句を書きたかったのですが,子規では見つけられなかったので
この中から明治23年に作った一句を英訳したいと思います。

春風やまりを投げたき草の原  正岡子規
(はるかぜやまりをなげたきくさのはら)

Spring wind!
I'd like to throw a ball
Grass of a ballpark


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草原(野球場)で思いきりボールを投げてみたい。
実は子規は前年,喀血をしました。まだ21,22歳くらいです。

子規は34年の生涯を閉じるまで病気(結核)と闘いました
子規とは「ホトトギス」のこと。

何度も喀血を繰り返す自分自身を
血を吐くまで鳴くと言われるホトトギスに例えました。



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今日の書き換え問題。初級問題。(オリジナル)

Let's play baseball tomorrow.

→ (  ) (  ) play baseball tomorrow?


ヒント
「明日野球をしましょう。」
→「明日野球を(  )?」

別の表現を用いるパターン。
下の文は疑問文になっています。


正解は 
( Shall ) ( we ) play baseball tomorrow?
「明日野球を(しませんか)?」

Let's と Shall we ~? の書き換えはよく見かけます。

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自分のこと
昨日は巨人が1勝。
今日は楽天に頑張ってもらいたいです。

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