Haiku in English on Sunday (97) 地下鉄にかすかな峠ありて夏至
日曜日は俳句の紹介と英訳。
昨日は夏至でした。
北半球では1年の中で昼の時間がいちばん長い日。
ただ,日本のこの時期は梅雨の最中であり,同じ夏至でも
シェークスピアの「真夏の夜の夢」とは趣が違います。
今日はそんな夏至を詠んだ一句です。
地下鉄にかすかな峠ありて夏至 正木ゆう子
(ちかてつにかすかなとうげありてげし)
これは仙台市地下鉄の写真。
地下鉄の入口。SSは Sendai Subway を意味します。
地下鉄に峠? 夏至と何の関係?
この謎を解くには,作者の俳句観を知らなければなりません。
(私なりの解釈かもしれません。)
正木 ゆう子氏
1952年,熊本県生まれの俳人。 お茶の水大学卒。
1973年より能村登四郎に師事。 読売新聞選者をつとめる。
句集に「静かな水」(2002年芸術選奨文部科学大臣賞受賞)など。
「夏至」という句集もあります。
実はこの句集,副題がおもしろい。
「夏至 半年後,私たちは太陽の向こう側にいる」
ハッとさせられます。
地球は1年をかけて太陽の周りを1周します。
夏至から半年後の冬至には,私たちは今いるところから
太陽をはさんで反対側にいるのですね。
そんな巨視的な世界観が彼女の持ち味です。
こんな句もあります。
水の地球すこしはなれて春の月 正木ゆう子
地球も月も宇宙の視点から見れば
「すこしはなれて」いるだけなのです。
とにかく彼女の視点は大きいものから小さいもの,
太古から未来と縦横無尽なのです。
実は個人的に,彼女から俳句の選をいただいたことがあります。
私が新聞や俳句誌に投句をしていた2004年の話。
ある俳句雑誌で2次予選を抜けた中から
正木ゆう子さんともう1人の選者から「佳作」をいただきました。
春うらら子は左利きかもしれぬ リアルET (2004年)
では,もともとの句に戻ります。
地下鉄にかすかな峠ありて夏至 正木ゆう子
地下鉄は基本的に外の世界からは完全に切り離されています。
そこには日光も雨も自然の風もありません。
人工的な明かりをつけた車両が轟音とともに走って行きます。
上下左右に微妙に揺れる車両の中,確かに高低差はあるようです。
でも,その高低差ははっきり認識できるものではなく,かすかなもの。
それを,あえて人工物からは遠い「峠」という表現を使いました。
そんな「かすかな峠」を感じ取ったとき
「あっ,今日は夏至だ」と思い出したのでしょう。
そのとき,彼女の中で
地下鉄の起伏と宇宙の動きが結びつきました。
地球から見たら,今日は太陽がいちばん高く昇る日。
地下鉄に象徴される都会生活の中で
彼女は夏至という自然のかすかな変化を感じ取ったのでした。
では,英訳してみます。
地下鉄にかすかな峠ありて夏至 正木ゆう子
There's a slight peak
On a subway railroad
It's the summer solstice
作者の意図は伝わるかなあ。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
今日の書き換え問題。初級問題。(H19仙台市内女子私立高)
Snow covered the top of the mountain.
→ The top of the mountain ( ) ( ) with snow.
ヒント
「雪が山の頂上をおおった。」
→「山の頂上は雪で( )。」
主語を置き換えるパターン。
受け身形ですね。
正解は
The top of the mountain ( ) ( ) with snow.
ヒント
「雪が山の頂上をおおった。」
→「山の頂上は雪で(おおわれた)。」
be covered with ~ で「~でおおわれる」。with に注意。
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★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
自分のこと
正木さんには選をいただいたので親近感があります。
昨日は夏至でした。
北半球では1年の中で昼の時間がいちばん長い日。
ただ,日本のこの時期は梅雨の最中であり,同じ夏至でも
シェークスピアの「真夏の夜の夢」とは趣が違います。
今日はそんな夏至を詠んだ一句です。
地下鉄にかすかな峠ありて夏至 正木ゆう子
(ちかてつにかすかなとうげありてげし)
これは仙台市地下鉄の写真。
地下鉄の入口。SSは Sendai Subway を意味します。
地下鉄に峠? 夏至と何の関係?
この謎を解くには,作者の俳句観を知らなければなりません。
(私なりの解釈かもしれません。)
正木 ゆう子氏
1952年,熊本県生まれの俳人。 お茶の水大学卒。
1973年より能村登四郎に師事。 読売新聞選者をつとめる。
句集に「静かな水」(2002年芸術選奨文部科学大臣賞受賞)など。
「夏至」という句集もあります。
実はこの句集,副題がおもしろい。
「夏至 半年後,私たちは太陽の向こう側にいる」
ハッとさせられます。
地球は1年をかけて太陽の周りを1周します。
夏至から半年後の冬至には,私たちは今いるところから
太陽をはさんで反対側にいるのですね。
そんな巨視的な世界観が彼女の持ち味です。
こんな句もあります。
水の地球すこしはなれて春の月 正木ゆう子
地球も月も宇宙の視点から見れば
「すこしはなれて」いるだけなのです。
とにかく彼女の視点は大きいものから小さいもの,
太古から未来と縦横無尽なのです。
実は個人的に,彼女から俳句の選をいただいたことがあります。
私が新聞や俳句誌に投句をしていた2004年の話。
ある俳句雑誌で2次予選を抜けた中から
正木ゆう子さんともう1人の選者から「佳作」をいただきました。
春うらら子は左利きかもしれぬ リアルET (2004年)
では,もともとの句に戻ります。
地下鉄にかすかな峠ありて夏至 正木ゆう子
地下鉄は基本的に外の世界からは完全に切り離されています。
そこには日光も雨も自然の風もありません。
人工的な明かりをつけた車両が轟音とともに走って行きます。
上下左右に微妙に揺れる車両の中,確かに高低差はあるようです。
でも,その高低差ははっきり認識できるものではなく,かすかなもの。
それを,あえて人工物からは遠い「峠」という表現を使いました。
そんな「かすかな峠」を感じ取ったとき
「あっ,今日は夏至だ」と思い出したのでしょう。
そのとき,彼女の中で
地下鉄の起伏と宇宙の動きが結びつきました。
地球から見たら,今日は太陽がいちばん高く昇る日。
地下鉄に象徴される都会生活の中で
彼女は夏至という自然のかすかな変化を感じ取ったのでした。
では,英訳してみます。
地下鉄にかすかな峠ありて夏至 正木ゆう子
There's a slight peak
On a subway railroad
It's the summer solstice
作者の意図は伝わるかなあ。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
今日の書き換え問題。初級問題。(H19仙台市内女子私立高)
Snow covered the top of the mountain.
→ The top of the mountain ( ) ( ) with snow.
ヒント
「雪が山の頂上をおおった。」
→「山の頂上は雪で( )。」
主語を置き換えるパターン。
受け身形ですね。
正解は
The top of the mountain ( ) ( ) with snow.
ヒント
「雪が山の頂上をおおった。」
→「山の頂上は雪で(おおわれた)。」
be covered with ~ で「~でおおわれる」。with に注意。
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自分のこと
正木さんには選をいただいたので親近感があります。







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