Haiku in English on Sunday (101) すててこにしては遠出をしてゐたる
日曜日は俳句の紹介と英訳。
前回,俳人夏井いつきさんの「絶滅寸前季語辞典」と
彼女が今月出演しているラジオ番組について書きました。
そのラジオ番組「私の日本語辞典」で夏井さんが言うには
「蚊取り線香」のように絶滅に瀕している季語もあれば
「すててこ」のように復活しようとしている季語もあるとのこと。
「すててこ」は長めの男性用下ばき。
夏の季語として季語辞典に載っていますが
「歳時記」には載っていなかったりします。
江戸期にあった「すててこ踊り」という名前の踊りを
明治に三遊亭円遊が寄席で踊ったことからこの名がついたとか。
昔なら,腹巻きにすててこで縁台将棋に興じる大人の姿を
見ることができたのではないでしょうか。
そんな風景は消えつつありますが
最近,すててこは
STETECO,SUTETEKO
として復活しています!
おしゃれな室内着として復活。
ちょっと隣りまで買い物にも行けちゃうかな。
色もカラフル!
英語で CLASSIC LONG TRUNKS となっています(笑)。
では,すててこが詠まれた一句です。
すててこにしては遠出をしてゐたる 石田郷子
(すててこにしてはとおでしていたる)
石田郷子氏は1958年東京生まれの俳人。
両親は石田波郷に師事した俳人。
波郷門下の山田みづえ氏主宰の「木語」を経て,現在「椋」代表。
1997年,第一句集「秋の顔」で第20回俳人協会新人賞。
師の山田みづえ氏は
「空気の流れに漂っている何かをすっとキャッチしたような郷子俳句」
とその特徴を語っているそうです。
今日の句は「俳句研究」H22秋の号より。
どのような句なのか考えてみます。
一人の男性が,初老でしょうか,すててこ姿で遠出をしたようです。
どうして着替えなかったのでしょうか。
きっと暑い日だったのでしょう。
その男性は,着替えるのが面倒だったのかも。
えっ,あのすててこのまま出かけたって!
もしかすると,認知症が始まったのかもしれません。
近所ならまだしも,そんなに遠くまで行っているとは。
迎えに行かなきゃ。
解釈はいろいろできます。
初め,おもしろさ,滑稽さを感じますが,よく考えると
その後ろに深い問題があるのかもしれないと気づきます。
もちろんそれは作者の意図を越えているかもしれません。
では,英訳してみます。
すててこにしては遠出をしてゐたる 石田郷子
How come
He has gone out so far
With long trunks?
How come は Why と同じ意味で使われますが驚きを表します。
後ろの語は普通の語順になります。
「してゐたる」は現在完了形で表しました。
「すててこ」は long trunks にしましたが
suteteko trunks でもいいかなあ。
すててこには,こんな句もあります。
スリッパのまま誰ぞすててこ穿(は)かんとす 大住日呂姿
ステテコや採点溜めし日曜日 米村幸生
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
今日の書き換え問題。中級問題。(H20仙台市内共学私立高)
That hat is so small that I cannot wear it.
→ That hat is ( ) small for me to wear.
ヒント
「あの帽子はとても小さいので私はかぶれない。」
→「あの帽子は私がかぶるには小さ( )。」
別の表現を用いるパターン。
現在は上下ともに,教科書から消えてしまった表現です。
正解は
That hat is ( too ) small for me to wear.
「あの帽子は私がかぶるには小さ(すぎる)。」
so ~ that ...(文) とても~なので・・・だ
too ~ to ...(動詞の原形) ・・・するには~すぎる
↓よろしければブログランキングにご協力お願いします。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
自分のこと
俳句シリーズ。101回目。
新たな気持ちで続けていきます。
前回,俳人夏井いつきさんの「絶滅寸前季語辞典」と
彼女が今月出演しているラジオ番組について書きました。
そのラジオ番組「私の日本語辞典」で夏井さんが言うには
「蚊取り線香」のように絶滅に瀕している季語もあれば
「すててこ」のように復活しようとしている季語もあるとのこと。
「すててこ」は長めの男性用下ばき。
夏の季語として季語辞典に載っていますが
「歳時記」には載っていなかったりします。
江戸期にあった「すててこ踊り」という名前の踊りを
明治に三遊亭円遊が寄席で踊ったことからこの名がついたとか。
昔なら,腹巻きにすててこで縁台将棋に興じる大人の姿を
見ることができたのではないでしょうか。
そんな風景は消えつつありますが
最近,すててこは
STETECO,SUTETEKO
として復活しています!
おしゃれな室内着として復活。
ちょっと隣りまで買い物にも行けちゃうかな。
色もカラフル!
英語で CLASSIC LONG TRUNKS となっています(笑)。
では,すててこが詠まれた一句です。
すててこにしては遠出をしてゐたる 石田郷子
(すててこにしてはとおでしていたる)
石田郷子氏は1958年東京生まれの俳人。
両親は石田波郷に師事した俳人。
波郷門下の山田みづえ氏主宰の「木語」を経て,現在「椋」代表。
1997年,第一句集「秋の顔」で第20回俳人協会新人賞。
師の山田みづえ氏は
「空気の流れに漂っている何かをすっとキャッチしたような郷子俳句」
とその特徴を語っているそうです。
今日の句は「俳句研究」H22秋の号より。
どのような句なのか考えてみます。
一人の男性が,初老でしょうか,すててこ姿で遠出をしたようです。
どうして着替えなかったのでしょうか。
きっと暑い日だったのでしょう。
その男性は,着替えるのが面倒だったのかも。
えっ,あのすててこのまま出かけたって!
もしかすると,認知症が始まったのかもしれません。
近所ならまだしも,そんなに遠くまで行っているとは。
迎えに行かなきゃ。
解釈はいろいろできます。
初め,おもしろさ,滑稽さを感じますが,よく考えると
その後ろに深い問題があるのかもしれないと気づきます。
もちろんそれは作者の意図を越えているかもしれません。
では,英訳してみます。
すててこにしては遠出をしてゐたる 石田郷子
How come
He has gone out so far
With long trunks?
How come は Why と同じ意味で使われますが驚きを表します。
後ろの語は普通の語順になります。
「してゐたる」は現在完了形で表しました。
「すててこ」は long trunks にしましたが
suteteko trunks でもいいかなあ。
すててこには,こんな句もあります。
スリッパのまま誰ぞすててこ穿(は)かんとす 大住日呂姿
ステテコや採点溜めし日曜日 米村幸生
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
今日の書き換え問題。中級問題。(H20仙台市内共学私立高)
That hat is so small that I cannot wear it.
→ That hat is ( ) small for me to wear.
ヒント
「あの帽子はとても小さいので私はかぶれない。」
→「あの帽子は私がかぶるには小さ( )。」
別の表現を用いるパターン。
現在は上下ともに,教科書から消えてしまった表現です。
正解は
That hat is ( too ) small for me to wear.
「あの帽子は私がかぶるには小さ(すぎる)。」
so ~ that ...(文) とても~なので・・・だ
too ~ to ...(動詞の原形) ・・・するには~すぎる
↓よろしければブログランキングにご協力お願いします。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
自分のこと
俳句シリーズ。101回目。
新たな気持ちで続けていきます。
この記事へのコメント
ネットで調べますとカラフルなステテコがあるんですね。(驚)
コメントありがとうございます。腹巻きにステテコというとバカボンのパパとかドリフの加トちゃんとかそんなイメージです。私は夏は汗をかいたひざがズボンにつくのがいやなので,ユニクロなどのステテコをはくようになりました。ズボンがべとべとしないので快適です。