英語の発音 singer と finger は発音が違う

前回は日本語の鼻濁音について書きました。
この発音は東日本を中心とし,しかも若者はほとんど使いません。
まさに風前の灯なのかもしれません。
でもアナウンサーは鼻濁音を使うことが求められています。
昔,関西出身の逸見アナウンサーが鼻濁音で苦労したと
言われていたのを見た記憶があります。

鼻濁音とは何? 
と言う方は前回の記事の動画がわかりやすいかと思います。

あらためて少し書くと・・・

午後」の最初の「ご」は濁音で,後ろの「ご」は鼻濁音です。
区別していない人は鼻濁音の概念がない地域の方と思われます。

(別にそれはいけないことでも何でもありません)

おそらくNHKのアナウンサーは次のように発音します

「5時15分」(じじゅうふん)「ご」は両方濁音
「十五夜」(じゅうや)「ご」は鼻濁音


さて,今日の本題は英語に「濁音」「鼻濁音」はあるか?

答えはそういう概念はありませんが,
それに似た違いがあると思います。
(「鼻音」とと呼ばれる[n][m]がありますが,別の話。)

例えば,
singerfinger の語尾の ger の発音は違うのです。

発音記号を見てみましょう!
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日本式に言えば
singer の ger は鼻濁音で
finger の ger は濁音のように発音します。


音でも確認したい人はこちらをどうぞ。

singer


finger



この現象にはルールがあるようです。

singer はもともと動詞 sing に er がついたものです。
その場合は,日本語で言う「鼻濁音」のように発音します。


つまり
もともと ng で終わっている単語に er や ing がついた場合は「鼻濁音」のようになります。

これが「鼻濁音」のような発音の記号。
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ただし,
比較級,最上級を作るときはこのルールが適応されません

young はいわゆる「鼻濁音」のように発音しますが
younger, youngest は「濁音」のように発音します。

辞書によっては親切にこう書いています。

(比較級) younger (最上級) youngest には
[ɡ]の音が加わる


(ジーニアス英和辞典)

こういうことです。
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そうなると,1つ疑問が残ります。

もともと「鼻濁音」がない地域の人は
英語を学習するときに,どう発音しているのか?


sing, young, long, strong
全部日本語で言う「鼻濁音」で終わっています。
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英語は別物なのか
いわゆる「濁音」として話しているのか?


できれば,西日本の方,教えてください。
崖から落ちる前に,聞いてみたいです・・・
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この記事へのコメント

2015年04月08日 10:30
リアルET先生、こんにちは。
singerとfingerを聞き比べて、やっと「鼻濁音」と「濁音」の違いが理解できたような?(できないような?)ただそうなると息子が発音するsingerは「g」の音をはっきり言っているような気がします。発音記号とは違いますよね。やはり関西人に鼻濁音は難しいのでしょうか。
何だかちっともお役に立てず…。言葉って複雑なんですねぇ。勉強になりました。
2015年04月08日 19:26
夢佳さん
こんばんは。貴重な情報ありがとうございます。
東北で生まれ育った自分の子どもでさえ危ういので,何となくわかります。
今日ALT(オーストラリア人)に聞いたら
「Deffirerent!」(違うに決まってるでしょ!)と言われました。ネイティブは無意識に区別しています。
次回はこの辺のことから書こうと思います。(そろそろ鼻濁音も終わりにしないと)

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