「八十日間世界一周」の旅(1) 原作と映画

何回かに分けて「八十日間世界一周」について書きます。
あるネットラジオで聞いたことを自分なりに膨らませてみます。
まず,みなさんは「旅」「旅行」は好きですか?

「やっぱり家がいちばんだあ」とは言うものの,多くの人は旅に出たり
ちょっとした観光に出かけます。

でも,昔は遠出するというのは軍事も含めて仕事ででかけるか
巡礼や航路発見などの冒険しかなかったようです。

でも19世紀にイギリスを中心に鉄道が整備されます。
すると人々の意識は変わりました。

時刻表というものができると,人々は予定を組み立てることが
できるようになったのです。旅行のブームがやって来ます。

フランスの作家,ジュール・ヴェルヌは1872年に
「八十日間世界一周」という本を出版します。
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これは日本語版。
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舞台は1872年のロンドン。
イギリス人資産家フィリアス・フォッグは仲間とかけをします。
「80日間で世界一周をしてみせる!」

1秒でも遅れたら,全財産を失ってしまうという賭けに出たフォッグは
執事のパスパルトゥーを従え,東回りで,まずはフランスを目指します。

これは私が持っている文庫本。(表紙はリメイク映画のもの)
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文庫本にはフォッグ氏の行程の地図がついています。
ちょっと書き足してみました。
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当時はエジプトのスエズ運河ができたばかりでした。
さあ,80日で世界一周ができるのか?

フォッグ氏らは日本の横浜にも立ち寄ります。
当時から横浜は太平洋航路の大切な港だったんですね。

英訳文ですが,こう説明されています。

At dawn on the 13th the Carnatic entered the port of Yokohama. This is an important port of call in the Pacific, where all the mail–steamers, and those carrying travellers between North America, China, Japan, and the Oriental islands put in. It is situated in the bay of Yeddo, and at but a short distance from that second capital of the Japanese Empire...

13日の朝,カルナティック号は横浜に入港した。横浜は太平洋の重要な寄港地で,北米,中国,日本や東洋の島々から郵便や旅客を運ぶ船が寄港する。横浜は江戸と同じ湾に位置し,江戸は少し離れ,日本帝国の第二の都である。
(江戸を第二の都というのは京都を第一の都としているからのようです。)

こんな文もあります。

The Japanese quarter of Yokohama is called Benten, after the goddess of the sea, who is worshipped on the islands round about.

横浜の日本人街は「弁天」と呼ばれ,このあたりの島々でまつられている海の女神からつけられた。

これは今の弁天町。
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この小説は1956年に映画になります。
アメリカ映画で「Around the World in 80 Days」。

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日本でしっかりロケをおこなったようです。
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こちらは映画の予告編。日本の風景も出てきます。


この映画は音楽も有名ですね。名画の音楽CDには必ず入っています。
個人的には「兼高かおる世界の旅」という番組で知りました。


でも,私がこのシリーズで書きたいことはこのことではないのです。

なんと,世界的ベストセラーとなったこの小説からわずか17年後
実際に80日間で世界を回れるか試した人物がいるのです!

しかも,まだ若き女性なのです。

つづく!

この記事へのコメント

2017年02月16日 08:38
おはようございます。

 たしか、兼高かおるさんも世界早回りの記録を持ってらっしゃったような記憶が…、徹子の部屋かなんかで話していたと思うのですが。
 「兼高かおる世界の旅」は日曜日の朝にやっていたテレビ番組ですよね。好きでよく見ていました。
 兼高かおるさん、今はもう、相当なお歳になられていると思うのですが、どうしてらっしゃるのでしょうね。
2017年02月16日 11:28
先日「徹子の部屋」に兼高かおるさんが出演されていて、懐かしいなぁと思っていました。小さい頃「兼高かおる世界の旅」を見て海外に憧れたものです。「80日間世界一周」の音楽はマンドリンで弾いてもとてもきれいですよ。
2017年02月17日 06:09
あきあかねさん
おはようございます。兼高さんはいまでもご健在です。小さいころ見ていて世界を旅してうらやましかったです。聞き手の芥川隆行さんとの掛け合いもおもしろかったなあ。
スカンジナビア航空主催の企画で当時の世界一周記録(73時間)を持っていたようです。
2017年02月17日 06:12
夢佳さん
おはようございます。あの音楽はマンドリンに合いそうですね。兼高さんの番組と「世界ふしぎ発見」のレポーターを見て,いつもいいなあって思っていました。
今回の企画記事,書きたいのに忙しくて書けていません。まあ,本業重視で。

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