谷川俊太郎 「二十億光年の孤独」

前回はあるお坊さんの法話から,谷川俊太郎さんの詩について
書きました。私にとって谷川さんの詩との出会いは大学時代でした。

最も感銘を受けたのは彼の最初の詩集のタイトルにもなっている
「二十億光年の孤独」です。
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そのあとも,夢中で彼の詩を読みました。
彼が訳したマザー・グース集も買って北原白秋訳と比較したり。
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大学時代は最も多感な時期だったと思います。
人間が持つ「孤独」についてたくさんの本や音楽から考えました。

そんな時に出会ったのがこの詩でした。


二十億光年の孤独   谷川俊太郎
 
人類は小さな球の上で
眠り起きそして働き
ときどき火星に仲間を欲しがったりする
 
火星人は小さな球の上で
何をしてるか 僕は知らない
(或いは ネリリし キルルし ハララしているか)
しかしときどき地球に仲間を欲しがったりする
それはまったくたしかなことだ
 
万有引力とは
ひき合う孤独の力である
 
宇宙はひずんでいる
それ故みんなはもとめ合う
 
宇宙はどんどん膨らんでゆく
それ故みんなは不安である
 
二十億光年の孤独に
僕は思わずくしゃみをした




人間は孤独ゆえに他者を求めます。
それを人類と火星人に置き換えたり,万有引力を使ったり,
一読で魅了されました。

火星人が「ネリリし キルルし ハララしている」とは
何をしているのかなあ,なんて空想を楽しみました。
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以前にも書いたことがありますが,火星人が上のような
イメージを持たれたのは,H・G・ウェルズの小説によるようです。

ある日,国文学を専攻している人とこの詩について話していたとき,
この「ネリリ キルル ハララ」の謎が解け,膝を打ちました。


これは人類の「眠り起きそして働き」を受けた表現だったんですね!
読解力が不足していました・・・。
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火星人はどんなふうに働いているのかなあ・・・。



最後に「二十億光年の孤独」に「僕」はくしゃみをします。

そんな孤独をくしゃみで吹き飛ばしてしまおうというのか,
大きなテーマへの照れ隠しなのか。

あるいは,火星人も地球人の「僕」と友達になりたくて,
「僕」のことを噂したのでしょうか


ハックション!

もし,くしゃみがでたら,火星人がブログを読んで
自分のことを噂したのかもしれませんね。

この記事へのコメント

2018年07月21日 08:44
おはようございます。

 やはり、最後の二行が良いですね。改めて自分の存在に思いが至り、戦慄したのか、勇気を奮い起こしたのか、余韻が残って想像を掻き立たせます。
2018年07月21日 17:15
26日に図書館に行こうと思って居ました(._.)
序に二十億光年の孤独も聞いてみますね。
たぶん在庫が無いと思うけど
取り寄せて呉れますから・・
或いは ネリリし キルルし ハララしているか流石!!詩人には、感心しきりです(^_-)-☆
2018年07月21日 17:33
あきあかねさん
こんにちは。こんなに暑くてこれからどうなるんでしょう。
この詩は「くしゃみ」というちょっとおとぼけ感がいい味を出していると思います。「孤独」という大きなテーマに斜めから切り込んだ感じが好きです。
2018年07月21日 19:53
みなとさん
谷川俊太郎さんの詩はたくさん詩集が編まれているのではないかと思います。
最初、ネリリなどは谷川さんが考えた火星語だと思っていましたが、その創作技法にやられました。暑いですが夏休みもハララします。

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