浮世絵に見る年の暮れ(2) 真冬に扇子?

これは歌川豊国の「扇屋店先」

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大きな扇子と「御扇子品々」の文字。確かに扇子屋さんのようです。

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絵がかいてある扇子の紙の部分

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この女性は紙の部分を蛇腹に折っています。

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紙を貼り合わせるが見えます。女性が骨の部分を通しています。

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こんなふうに,お客さんの好みの柄の扇子をその場で作ることがあったのでしょう。

扇子と言えば涼をとるための夏のアイテムですが,中央の部分をよく見てみましょう。
「火鉢」に男性客もおかみさんも厚着姿

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なぜ,真冬に扇子を買い求めているの?

上のおかみさんが持っている扇子の柄は「松」
後ろの棚にはもうできているのでしょうか,「富士」「七福」の文字。

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「松」「富士」「七福」,縁起のいいものばかり。

そうなんです。
これはお年賀として配るための扇子を買い求めている場面。

扇子は「末広がり」の形で縁起ものなんですね。

買われた扇子はこの箱に入れられ,台に載せられ仰々しく贈られたそうです。

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そして,そこで問われるのが,贈り手の感性や教養
あれこれ迷ってしまいますよね。

だいぶ時間がかかっているのでしょうか。
お付きの小僧さんは飽きてしまって,紐で子犬と遊んでいるし,犬もまた男性客の草履の上で寝そべっています。

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今では扇子を贈るなんて落語家さんならわかるけど,あまりないような気がします。

でも,当時,扇子はおしゃれアイテムで,年賀のために何本も買っていく人がいたそうです。

この記事へのコメント

あきあかね
2022年12月27日 08:00
おはようございます。

 そう言えば今日は仕事納めですね。
 稽古始めの扇子の準備ですが、現在でも様々なお稽古事で行われていますよ。お茶や踊り、謡、そして種々の武道などです。三越ではこの時期さまざまな扇子が用意されています。

 上がりかまちに居たのは猫ではなく犬だったのですね(笑) どうも「狆」のようですね。
2022年12月28日 06:47
あきあかねさん
おはようございます。
私の仕事納めは28日です。やはりその道では今でも扇子は正月の縁起ものなんですね。
お年始の準備もしないといけません。こうやって慌ただしく毎年年の瀬が過ぎていきます。読みたい本は積むばかり。

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