Haiku in English on Sunday (538) 悴んで髪の先まで尖りけり
日曜日は俳句の紹介と英訳。
本格的な雪はまだですが,こちら仙台は1日1日と本当の冬の形を整えつつあります。
安物ですが,新しい手袋を買いました。
「かじかむ」(悴む)は冬の季語で,寒さのために手足の感覚がなくなり,思うように動かないことですが,俳句では全身または心まで凍ったような心象風景を詠むこともあります。
悴んで髪の先まで尖りけり 山田 佳乃
(かじかんでかみのさきまでとがりけり)
坪内稔典著「俳句いまむかし ふたたび」より。

俳句いまむかし ふたたび - 坪内 稔典
山田佳乃氏の俳句を取り上げるのは2度目だと思います。「円虹」主宰。

冬の寒さで髪の先が尖るようにかじかむとは,女性らしい句と言っていいでしょう。
「男性らしい」「女性らしい」といういい方がもう使えないとすれば,山田さんらしい句と言えばいいでしょうか。
この句を読んだときに思い出した句があります。
七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ 橋本 多佳子
(たなばたやかみぬれしままひとにあう)
罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき 橋本 多佳子
(けしひらくかみのさきまでさびしきとき)
この2句については今年の夏に取り上げました。
→ Haiku in English on Sunday (521) 七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ
明治生まれの俳人,橋本多佳子にとっても髪の先までが自分の一部。

橋本多佳子全句集 (角川ソフィア文庫) - 橋本 多佳子
髪の先まで寂しい多佳子の句と,髪の先までかじかむ山田さんの句,髪の先まで神経がいきわたっているような繊細な句を私が発想することはないでしょう。
では,英訳してみます。
悴んで髪の先まで尖りけり 橋本 多佳子
Chilled and numbed
The end of my hair was
Sharply pointed
早いもので,12月も中盤に入ろうとしています。
本格的な雪はまだですが,こちら仙台は1日1日と本当の冬の形を整えつつあります。
安物ですが,新しい手袋を買いました。
「かじかむ」(悴む)は冬の季語で,寒さのために手足の感覚がなくなり,思うように動かないことですが,俳句では全身または心まで凍ったような心象風景を詠むこともあります。
悴んで髪の先まで尖りけり 山田 佳乃
(かじかんでかみのさきまでとがりけり)
坪内稔典著「俳句いまむかし ふたたび」より。

俳句いまむかし ふたたび - 坪内 稔典
山田佳乃氏の俳句を取り上げるのは2度目だと思います。「円虹」主宰。

冬の寒さで髪の先が尖るようにかじかむとは,女性らしい句と言っていいでしょう。
「男性らしい」「女性らしい」といういい方がもう使えないとすれば,山田さんらしい句と言えばいいでしょうか。
この句を読んだときに思い出した句があります。
七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ 橋本 多佳子
(たなばたやかみぬれしままひとにあう)
罌粟ひらく髪の先まで寂しきとき 橋本 多佳子
(けしひらくかみのさきまでさびしきとき)
この2句については今年の夏に取り上げました。
→ Haiku in English on Sunday (521) 七夕や髪ぬれしまま人に逢ふ
明治生まれの俳人,橋本多佳子にとっても髪の先までが自分の一部。

橋本多佳子全句集 (角川ソフィア文庫) - 橋本 多佳子
髪の先まで寂しい多佳子の句と,髪の先までかじかむ山田さんの句,髪の先まで神経がいきわたっているような繊細な句を私が発想することはないでしょう。
では,英訳してみます。
悴んで髪の先まで尖りけり 橋本 多佳子
Chilled and numbed
The end of my hair was
Sharply pointed
早いもので,12月も中盤に入ろうとしています。
この記事へのコメント
盛岡に住んでいた時、男の子の私もこの句の様な体験をしました。
当時の盛岡は氷点下15度くらいまで冷え込むことが良くありました。銭湯からの帰り道、僅か二、三百㍍の距離なのですが、途中で髪の毛が凍り、イガイガ状態になってしまうのです。
父と一緒、髪の毛を凍らせて鉄腕アトムになってみたり、手拭を凍らせて刀にしてチャンバラごっこをしながら帰ったりしていました。
今回の俳句の情景からはかけ離れてしまいましたね(笑)
おはようございます。返事が遅れてすみません。
もう少し寒くなると,外に洗濯物を干した瞬間,凍ってしまいます。まだ雪が本格化していないので助かっていますが。
髪の先まで,神経をとがらせる。髪の先まで自分のテリトリー。そんな気分になったことはありませんが,いつまでも髪があってほしいと願うのは男性も女性も変わりないのではないでしょうか。