モールス信号は廃止された!?

昭和の2人組のスターと言えば,ピンクレディー
2人組なのに複数形にならないのは,カクテルの名前だからとか。
彼女らの2枚目シングル曲が「SOS」

9SOS.jpg

レコードでは冒頭に「SOS」のモールス信号「トトトツーツーツートトト」が流れます。

9SOS1.jpg

これがモールス符号を使ったモールス信号を打つための電鍵

9SOS2.jpg

出だしをぜひお聞きください。
(レコードのジャケット画像はなぜか別のものですが)



でも,この曲がヒットした1976年当時は,このレコードを最初からテレビやラジオでかけることはできませんでした。

それは,冒頭のモールス信号「SOS」をラジオで流してしまうと,本当の救助信号と勘違いされてしまうかもしれないからです。

ところが,現在では,このレコードを冒頭から放送してもいいのです。
なぜか?

モールス信号による「SOS」は,国際的な遭難信号としては1999年1月31日をもって廃止されたそうです。

「SOS」の代わりとして世界的に用いられるようになったのが「コスパス・サーサットシステム」で,「海上における遭難及び安全に関する世界的な制度」(GMDSS)という枠組みのなかで用いられる国際システムで,船や航空機に搭載されたビーコン発信器から遭難信号を発信,人工衛星で受信して位置を特定し,短時間のうちに各国窓口機関へ通報するんだそうです。

でも,各国,漁業無線や趣味とかでまだまだ使われているのが現状のようです。

ちなみに,相手の携帯に電話をかけて,最初に「プププ」と鳴ったら,相手の携帯はソフトバンク社のもの。

9SOS3.jpg

もちろん「SoftBank」の「S」のモールス符号の「・・・」です。

実際に聞いてみましょう(↓)。



意識していなかったなあ。

この記事へのコメント

2022年12月23日 07:50
おはようございます。

 そうですね、モールス信号の利用はもうだいぶ昔にされなくなっています。初めは遠洋漁業の漁船からでしたが、順次外洋航路の商船にも広がりました。私もアマチュア無線を始めた頃は外洋航路の商船の電信をワッチして聞き取りの練習をしていたのですが、じきにほとんどの通信がRTTYに移りました。商船独自のキー癖が楽しかったのですが(笑)
 ずいぶん昔の廃止されたモールス信号ですが、今でも海上保安庁や自衛隊では学習項目に入っていると聞きます。遭難時に発火信号等でも使われるので学ぶのだと思います。

 ソフトバンクの「S」は気付きませんでした。なるほどでした。
2022年12月24日 07:40
あきあかねさん
おはようございます。モールス符号は信号だけでなくライトでも使えるので,まだまだ有効かもしれませんね。私も山で遭難したら「・・・ー--・・・」と懐中電灯を点滅させようと思います(半笑)。
モールス信号が廃止されるということで,国際海事機構が最後のモールス発信として,次の文章を打ったそうです。
「我,これより永遠の沈黙に入らん」
ちょっと切なくなりますね。
手紙がFAX,そしてメールに代わるように,時代のデジタル化はしょうがないですね。
2022年12月24日 07:59
上の先生のコメントに対して、

 先生のコメントの中に「永遠の沈黙」という文言が有りましたが、実はアマチュア無線界では「Silent Key」という言い回しが有りまして、アマチュア無線の仲間が死去した場合、或いは事情によってアマチュア無線から引退する場合、「彼はサイレントキーになった」等と言います。この場合の「Key」は、電信(CW)を打つために使用する「電鍵(でんけん)」の事です。国際海事機構の最後の電文はそれを踏まえたものと想像します。
2022年12月24日 08:13
あきあかねさん
なるほど。業界の人なら知っている符牒のような表現があるんですね。
昔は仙台には電波高専がありましたが,今では名取の宮城高専と合併し,広瀬キャンパスとなりました。授業ではやっているのかなあ。
タモリさんは「ブラタモリ」の函館編で電鍵の腕前を披露したようです。

この記事へのトラックバック