Haiku in English on Sunday (542) 息白く人生すべて往路なり

日曜日は俳句の紹介と英訳。
明日は成人の日で祝日。かつて「成人」と言えば20歳でしたが,現在は18歳に引き下げられました。
今年の成人式は18歳・19歳・20歳の3学年が一緒なんていう噂がありましたが,結局は各地方自治体は20歳の人を対象に名前を変えて式典を行うところが主流のようです。

今日が「20歳を祝う会」「20歳の集い」と名前を変えた式典が行われるところが多いのではないでしょうか。

「成人式」という名前を残しているところもありますが,この流れだと新年の季語としては「成人の日」は残っても「成人式」は季語でなくなっていくかもしれません。

ということで,「成人の日」「成人式」の句はやめておきます。
ともに6音で,実は5・7・5のリズムに乗せるのが難しいんですね。


息白く人生すべて往路なり  小川軽舟
(いきしろくじんせいすべておうろなり)

坪内稔典著「俳句いまむかし ふたたび」より。

俳句いまむかし ふたたび - 坪内 稔典
俳句いまむかし ふたたび - 坪内 稔典

小川軽舟氏の俳句について書くのは4度目か。

小川軽舟.jpg

句集「掌をかざす」所収。この句集は2014年にふらんす堂のHPに掲載された俳句日誌をまとめたもの。

季語はもちろん「息白く」で真冬の寒さを感じます。
「往路」で思い出すのは箱根駅伝

8白い息.jpg

箱根駅伝で白い息を吐くランナーを見たのかテレビで見たのか,または,自分の白い息を見て人生について思いめぐらしたのか,

そうか,人生には復路なんてない。一本道の往路だけ。

折り返し地点なんて,終わってみないとどこかわからない。
まあ,自分は明らかに折り返し地点は過ぎてはいけるけど。

そして問題は,この往路だけの人生を走り抜けるのか,歩いていくのか,どんなペース配分をするかですね。


では,英訳してみます。

息白く人生すべて往路なり  小川軽舟

Taking a white breath,
A life is always
An outward journey



新成人のみなさん,成人おめでとうございます。

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