大江健三郎さんを偲んで
作家の大江健三郎さんが今月の3日に亡くなっていたことを昨日報道で知りました。
(写真はWikipediaより)

後にノーベル文学賞をとるなんて考えてもいませんでしたが,私が大江作品を読み始めたのは大学時代。
古本で買った初期の短編集です。今でも探せばどこかにしまっているかも。
その作品群はたいていこの文庫に収められています。

死者の奢り・飼育(新潮文庫) - 大江 健三郎
私が好きだったのは「飼育」「死者の奢り」「奇妙な仕事」「人間の羊」など。
その後も何冊か読みましたが,「個人的な体験」は頭部に障害を持った子どもを持った主人公と作者自身がオーバーラップする新機軸。

「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち」には私が好きな作家ウィリアム・フォークナーの一節への言及があります。
between grief and nothing I will take grief
(悲しみと無しかなかったら,私は悲しみを選ぶ)
小説「野生の棕櫚」の最も印象的な文章です。
このことについては,2015年の過去記事で。
→ Faulkner, Faulkner!
その後も何冊かハードカバーで買ったこともありますが,正直に言います,読みこなすことができませんでした。
大江さんは何かのインタビューで言っていましたが,誰にでも理解できるように心がけて書いているんだそうです。
正直,後半の作品群は難解だったと思いますが,これもインタビューで,夜の執筆でお腹がすくとインスタントラーメンを食べるのでお腹が出てきたと言っていました。
日本文学を押し上げた一人だったことは明らかです。ご冥福をお祈りします。
(写真はWikipediaより)

後にノーベル文学賞をとるなんて考えてもいませんでしたが,私が大江作品を読み始めたのは大学時代。
古本で買った初期の短編集です。今でも探せばどこかにしまっているかも。
その作品群はたいていこの文庫に収められています。

死者の奢り・飼育(新潮文庫) - 大江 健三郎
私が好きだったのは「飼育」「死者の奢り」「奇妙な仕事」「人間の羊」など。
その後も何冊か読みましたが,「個人的な体験」は頭部に障害を持った子どもを持った主人公と作者自身がオーバーラップする新機軸。

「雨の木(レイン・ツリー)」を聴く女たち」には私が好きな作家ウィリアム・フォークナーの一節への言及があります。
between grief and nothing I will take grief
(悲しみと無しかなかったら,私は悲しみを選ぶ)
小説「野生の棕櫚」の最も印象的な文章です。
このことについては,2015年の過去記事で。
→ Faulkner, Faulkner!
その後も何冊かハードカバーで買ったこともありますが,正直に言います,読みこなすことができませんでした。
大江さんは何かのインタビューで言っていましたが,誰にでも理解できるように心がけて書いているんだそうです。
正直,後半の作品群は難解だったと思いますが,これもインタビューで,夜の執筆でお腹がすくとインスタントラーメンを食べるのでお腹が出てきたと言っていました。
日本文学を押し上げた一人だったことは明らかです。ご冥福をお祈りします。
この記事へのコメント
私が特に読書に勤しんでいた時代に活躍されていた方なのですが、実のところそれ程の数を読んでいません。「万延元年のフットボール」とか。「死者の驕り」、「見る前に跳べ」くらいだったかなあ? むしろ、雑誌に載る評論を読むことの方が多かったかもしれません。文芸春秋や新潮によく執筆しておられましたからね。私にとっては小説家と言うよりも「良識の人」という印象です。
最近、私が慣れ親しんだお名前の方々が何人か続けて世を去っていらっしゃいます。そろそろ私の番かなって…(笑)
おはようございます。
私も最近著名な方がたくさん亡くなられて寂しく思っています。
大江さんは確かに良識の人でしたが,私にとっては大学時代に花咲いた天才作家という感じです。もう一度読み返したらたくさん再発見がありそうです。