「目くじら」って何?
このブログは英語学習ブログですが,言語と言うことで日本語についても気づいたことをよく書きます。
まあ,言葉に関係ないこともよく書きますが。
5月に入って「すべからく」について書きましたが,村上春樹氏のデビュー作「風の歌を聴け」からの引用を見逃してしまいました。

風の歌を聴け (講談社文庫) - 村上春樹
「来ないかと思ったわ。」
僕が隣に座ると,彼女は少しほっとしたように言った。
「すっぽかしたりしないよ。用事があって少し遅れたんだ。」
「どんな用事?」
「靴さ。靴を磨いていたんだ。」
「そのバスケットボール・シューズのこと?」
彼女は僕の運動靴を指さして疑ぐり深そうにそう言った。
「まさか。親父の靴さ。家訓なんだよ。子供はすべからく父親の靴を磨くべしってね。」
「何故?」
「さあね。きっと靴が何かの象徴だと思っているのさ。(略)」
「良い習慣ね。」
「そう思う?」
「ええ。お父さんに感謝するべきよ。」
「親父の足が二本しかないことにはいつも感謝している。」
彼女はクスクスと笑った。
「きっと立派なお家なのね。」
「ああ,立派な上に金がないとくれば,嬉しくて涙が出るよ。」
基本的な使い方「すべからく・・・べし」で「当然~すべきだ」という意味ですね。
さて,1週間前,ひらがなの「そ」を何画で書くかについて書いたとき,こんなエピソードに触れました。

テレビ番組でゲストがフリップに2画の「そ」を使って書いたら,子どもたちは1画の「そ」で習っているのだから訂正しろという苦情が来たそうです。
そのとき私は,「そんなこと,目くじら立てることでしょうか?」と書いたのですが,自分でも気になってはいたのですが,「目くじら」って何?
目+クジラ?

日本国語大辞典から。
めくじら【目くじら】 を立てる
他人の欠点を探し出してとがめ立てをする。わずかの事を取り立ててそしりののしる。目角に立てる。
細かいこと,ささいなことにも怒るニュアンスから「そんなに目くじら立てなくても」と使用する例が多いようです。
語源としては,「目くじら」は「目くじり」という言葉が訛った表現で,「くじり」は物の隅や端を表す言葉として使われてきた古語。
元々は「口」と「尻」が合わさった言葉だそうで,「言葉じり」の「じり」は「尻」,つまり言葉の終りを表し「言葉じりをとらえる」なんて言うふうに使いますね。
怒ったときに目じりが上がる様子が「目くじらを立てる」。

最近はちょっとしたことでもパワハラととらえられてしまいますから,注意しなければいけませんね。
まあ,言葉に関係ないこともよく書きますが。
5月に入って「すべからく」について書きましたが,村上春樹氏のデビュー作「風の歌を聴け」からの引用を見逃してしまいました。

風の歌を聴け (講談社文庫) - 村上春樹
「来ないかと思ったわ。」
僕が隣に座ると,彼女は少しほっとしたように言った。
「すっぽかしたりしないよ。用事があって少し遅れたんだ。」
「どんな用事?」
「靴さ。靴を磨いていたんだ。」
「そのバスケットボール・シューズのこと?」
彼女は僕の運動靴を指さして疑ぐり深そうにそう言った。
「まさか。親父の靴さ。家訓なんだよ。子供はすべからく父親の靴を磨くべしってね。」
「何故?」
「さあね。きっと靴が何かの象徴だと思っているのさ。(略)」
「良い習慣ね。」
「そう思う?」
「ええ。お父さんに感謝するべきよ。」
「親父の足が二本しかないことにはいつも感謝している。」
彼女はクスクスと笑った。
「きっと立派なお家なのね。」
「ああ,立派な上に金がないとくれば,嬉しくて涙が出るよ。」
基本的な使い方「すべからく・・・べし」で「当然~すべきだ」という意味ですね。
さて,1週間前,ひらがなの「そ」を何画で書くかについて書いたとき,こんなエピソードに触れました。

テレビ番組でゲストがフリップに2画の「そ」を使って書いたら,子どもたちは1画の「そ」で習っているのだから訂正しろという苦情が来たそうです。
そのとき私は,「そんなこと,目くじら立てることでしょうか?」と書いたのですが,自分でも気になってはいたのですが,「目くじら」って何?
目+クジラ?

日本国語大辞典から。
めくじら【目くじら】 を立てる
他人の欠点を探し出してとがめ立てをする。わずかの事を取り立ててそしりののしる。目角に立てる。
細かいこと,ささいなことにも怒るニュアンスから「そんなに目くじら立てなくても」と使用する例が多いようです。
語源としては,「目くじら」は「目くじり」という言葉が訛った表現で,「くじり」は物の隅や端を表す言葉として使われてきた古語。
元々は「口」と「尻」が合わさった言葉だそうで,「言葉じり」の「じり」は「尻」,つまり言葉の終りを表し「言葉じりをとらえる」なんて言うふうに使いますね。
怒ったときに目じりが上がる様子が「目くじらを立てる」。

最近はちょっとしたことでもパワハラととらえられてしまいますから,注意しなければいけませんね。
この記事へのコメント
ちょっと引っかかったのですが…
『「目くじら」は「目くじり」という言葉が訛った表現で,「くじり」は物の隅や端を表す言葉として使われてきた古語』と言うのは何処の辞書からの引用でしょうか?
『「目くじら」は「目くじり」という言葉が訛った表現で』と言うのは良いのですが、『「くじり」は物の隅や端を表す言葉として使われてきた古語』と言うのはちょっと誤解されやすい表現だと思います。動詞「くじる」の連用形の「くじり」と混同しそうだからです。
「めくじり」を「め・く・しり」と分けて、「めくじり」を「目の端、隅」とすることなのですが、「くじり=しり=端」とする事がまだ少し引っかかります。この「く」は形容詞、あるいは副詞の「く」なのでしょうかね?
ちなみに「目くじら」は、具体的には顔をしかめた時に出来る目の端の皺の事を言っていますね。
同じような謂いで、山形県の村山、新庄の郷土菓子に「久持良餅(くじらもち)」というのがあります。元は山仕事をする人の携帯食でした。腰に着けておいて、歩きながら、或いは仕事の手をちょっと止めて「齧る、くじる」ところから名付けられた名前、あるいは、荷物の端(くじり)に入れておいた非常食、というころから来た名前、とも言われています。
おはようございます。
自分でもあいまいなこと,確信のない引用はやはり突っ込みどころですね。今回は2023年1月の「ライフスタイル」というサイトから,この語の「語源」という部分を主に参考にしました。私も「く」が引っかかっていたのですが,このサイトでは「く」を説明していたからです。
ご指摘ありがとうございます。