Haiku in English on Sunday (613) 夕薄暑髪を自由にしてやりぬ

日曜日は俳句の紹介と英訳。
猛暑までいかない初夏のこの時期の季語に「薄暑」があります。
歳時記によっては「少し汗ばむくらい心地いい暑さ」「やや暑さを感じる気候」などとありますが,最近は5月でもけっこう暑い日が続いています。
ちなみに「汗」も夏の季語

夕薄暑髪を自由にしてやりぬ  関根誠子
(ゆうはくしょかみをじゆうにしてやりぬ)

坪内稔典著「俳句いまむかし ふたたび」より。

俳句いまむかし ふたたび - 坪内 稔典
俳句いまむかし ふたたび - 坪内 稔典

関根誠子氏は1947年群馬県生まれ,国立音楽大学卒業。
1985年,加藤楸邨の「寒雷」入会。1985年,同系列の石寒太「炎環」入会のち同人。

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今日の一句は第三句集「瑞瑞しきは」所収。

瑞瑞しきは - 関根誠子
瑞瑞しきは - 関根誠子

「夕薄暑」とはもちろん薄暑の時期の夕方。これは昨日の写真。

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初夏とはいえ,夕方には髪も汗で汚れます。女性ならなおさら。
夕方に散歩したって軽く額に汗をかきます。

そんな夕方,結んでいた長い髪を自由にしてやる。
もしかすると,早くも風呂に入りシャンプーして髪を乾かしているのかもしれません。

その解放感!


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では,英訳してみます。

夕薄暑髪を自由にしてやりぬ  関根誠子

Early summer evening
I let down my hair and
Set it free



現在形と過去形が同形の let と set をあえて使ってみました。

季語「薄暑」にはトラウマ的な出来事があります。

→ 俳句の類似性・危険性






  

この記事へのコメント

2024年05月19日 06:40
おはようございます。

 薫風にぬばたまの髪をなびかせる、と言うのは女性の特権でしょうね。羨ましいのですが、今の私には、どう転んでもマネが出来ません(笑)
2024年05月20日 06:02
あきあかねさん
おはようございます。
5月にしては暑い日が続いています。髪を洗ったら気持ちがいいんですが,なびかせる,自由にするという感覚は私にもないです・・・。
髪の長い女性ならでは,なんて言う表現も最近ではいけないことなんでしょうか。気にしてしまいます。