市川憂人著「灰かぶりの夕海」

1週間ほど前に市川憂人さんの小説「ジェリーフィッシュは凍らない」について書きました。
ブロンドで奔放なマリア警部とスーツの似合う日本人・九条漣のまるでハリウッド映画のような小説。

<マリア&漣>シリーズを続けて読みたいという気もありましたが,次に読んだのが同じ作家の「灰かぶりの夕海」
彼が日本を舞台にしたらどんな小説を書くんだろう,という興味がありました。

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「灰かぶり」で思い出すのがシンデレラ「灰かぶり姫」が和名です。

シンデレラ(吹替版) - 鈴木より子, 風雅なおと, 京田尚子, 藤田淑子, 高乃麗, 富田耕生, クライド・ジェロニミ, ハミルトン・ラスク, ウィルフレッド・ジャクソン, ケン・アンダーソン, ホーマー・ブライトマン, ウィンストン・ヒブラー, アードマン・ペナー, シャルル・ペロー
シンデレラ(吹替版) - 鈴木より子, 風雅なおと, 京田尚子, 藤田淑子, 高乃麗, 富田耕生, クライド・ジェロニミ, ハミルトン・ラスク, ウィルフレッド・ジャクソン, ケン・アンダーソン, ホーマー・ブライトマン, ウィンストン・ヒブラー, アードマン・ペナー, シャルル・ペロー

サブの主人公と言ってもいい「夕海」(ゆうみ)をシンデレラに例えたのかと思ったら,やられました。
ミステリー小説ですが,こんな手もあるのか!

AMAZON をはじめとするサイトでは,こう説明されています。

灰かぶりの夕海 - 市川憂人
灰かぶりの夕海 - 市川憂人

どうして彼女がここにいる。
俺の前から、永遠にいなくなってしまったはずの彼女が――。
千真の前に現れた少女は、かつての恋人と同じ姿、そして同じ《夕海》と名乗った。だが彼女は、二年前に死んでいる……。
更に、仕事中に遭遇した殺人事件――密室の中で死んでいたのは、恩師の亡き妻とそっくりな女性だった。
彼女たちの正体は? そして、この世界には《ナニ》が起きているのか?
注目作家・市川憂人が描くのは、《世界の色》がガラリと変わる驚愕必須のミステリ。


こんな謎,解けますか!?

ただし,1カ所疑問に思うところがありました。

2021年時点で20歳の主人公が千円札のことを「夏目漱石」と表現するところがあります。
なぜ「野口英世」ではなく「夏目漱石」?

これは貴重な伏線だと思ったら,最後まで内容的にもトリック的にも関係ない。
作者や編集者の勘違いか?
あるいは,そのような世界の話と言うことか?

このことにネット上で触れている人は1人だけです。

この夏,何冊本が読めるか,楽しみです。




この記事へのコメント

2024年07月23日 06:36
おはようございます。

 「ドッペルゲンガー」がテーマなのですか? 今どきの推理小説、そんな簡単なものじゃないのでしょうね(笑)

 千円札の件、よく気付かれましたね。作者のミスなのでしょうけど、編集部の校閲をすり抜けたのでしょうか。そういった時勢については、校閲する人た日は結構厳しくチェックするものなのですけど…
2024年07月24日 06:15
あきあかねさん
おはようございます。
ネタバレはしませんが,作者が仕掛けたワナに私は見事にはまりました。
夏目漱石の件はよく考えれば,この現実世界とはちょっとだけ違った世界ですよと言う意味付けなんでしょうか。なくてもいいシーンなんですが。こういうのは作者に聞いてみたくなります。