松任谷正隆「おじさんはどう生きるか」

先週は,小椋佳さん,中村雅俊さん,小田和正さんなどミュージシャンについて書きました。
そして今,先日25日に発売されたばかりの中公文庫,松任谷正隆著「おじさんはどう生きるか」を読んでいます。

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なんか,「君たちはどう生きるか」みたいなタイトルですが,70歳を迎えて「おじいさんは」と編集者に提案したら,今の時代は70歳で「おじさん」が許されるのだそうです。

松任谷正隆さんはご存じミュージシャンで多くのアーティストのアレンジャーやプロデューサーでも大活躍しています。

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この本は基本的には読売新聞の「マナー」の欄に連載したものをまとめたもの。

ちょっと気になったのが出だしの「おじさん,家庭平和に挑む」のところ。

ここに出てくる「かみさん」とは同じくミュージシャンの松任谷由実さん。
「由美さん」と書かれて登場することもあります。

松任谷由実40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。 (通常盤) - 松任谷由実
松任谷由実40周年記念ベストアルバム 日本の恋と、ユーミンと。 (通常盤) - 松任谷由実

ちょっと驚いたのですが,仲がいいと思われている夫婦にもバトルが!
それは,宅配便のピンポンがなったらどちらが玄関に出るのかを巡る戦い!

他にもどちらがパスタを茹でるかとか夫婦間には様々なバトルがある。
ここで違和感を持ったのは,こんなに成功している夫婦の家にはお手伝いさんなりの人がいないのか,ということ。

まあ,他人を家庭に入れるのは,著名人にとっては困ることも多いでしょうね。

ですから,買い物,皿洗いも含めて夫婦のバトルは続くのです。

ある日,ユーミンがラジオで「夫はユーミンをみんなの前でマウンティングすることで存在を誇示している」と言ったそうです。
ところが次の日になると,「お父さん(正隆さんのこと)がいなかったらやってこられなかった。私一人では何もできなかった」

これで正隆さんは部屋に閉じこもってしまうのですが,けんかを継続する体力ももうないし,怒った感覚は1日経つとだいぶ忘れてしまうそうです。

おもしろい夫婦です。
ユーミンは「荒井由実」でデビューし,結婚と同時に戸籍上の「松任谷由実」で活動。

名前で売れる人ではないので,あまりこだわりはないのかもしれません。
私は「Arai」はフランス語的で,「Matsutoya」はスペイン語的でおもしろいなと思ったものでした。

夫妻の才能がいちばんあふれ出したのが70年代後半から80年代にかけての楽曲かなあ。

こんな曲が書けて,こんなアレンジができる人が他にいますか?

「埠頭を渡る風」(「流線形'80」1978年)



「DESTINY」(「悲しいほどお天気」1979年)



「Dang Dang」(「PEARL PIERCE」1982年)




ちょっとつづく。



この記事へのコメント

2024年08月28日 06:36
おはようございます。

 へ~、そうなんですか。松任谷夫婦の事、初めて知りました。面白いご夫婦ですね。いかにもアーチストのご夫婦、と言う感もありますが…

 まだ学生の頃、荒井由実と中島みゆきを対比して考察した評論を仲間内の文芸同人誌に発表したことがあります。女性的感性の中島みゆき、男性的感性の荒井由実、という対比を設けての評論でした。現在の私から見ると、それだけではないんだけどな、と言う所なんですけど。。。
 いずれにしろ、お二人は’70年代を代表するニューミュージックの旗手という事になるでしょうね。
2024年08月29日 05:58
あきあかねさん
おはようございます。ユーミンも中島みゆきもすごいのはいまだに現役で第一線ということですね。私は大学に入ってからそのファンが多いことに驚き,自分も聞くようになり,当時は全曲聞いていたと思います。
大学のときは私は参加したことはないのですが「中島みゆきを聞こう会」という集会があって,部屋を暗くしてみんなで中島みゆきを聞くんだそうです。彼女の歌はけっしてそういう歌ばかりではないんだけどな。