伝説のバンド「たま」(3) 「さよなら人類」の歌詞
今は解散してしまったバンド「たま」の「さよなら人類」(1990年)については,このシリーズの最初に書きました。
このヒットがあったからこそ,「たま現象」という言葉までできて,紅白にまで出場しました。
職場で20代の同僚に「『さよなら人類』って曲,知っている?」と聞いてみたら,やはり知りませんでした。
そうだよなあ。
「さよなら人類」は基本的に「イカ天」で発表したオリジナル・ヴァージョンとシングルで発売されたシングル・ヴァージョンがあります。
ファーストアルバム「さんだる」にはオリジナル・ヴァージョンが収録されています。
こちらがオリジナル・ヴァージョン。
後半に入るときに「サル~ サル~」という輪唱が入ります。
こちらがシングル・ヴァージョン。
輪唱は入りませんが,ビートルズのプロデューサーのジョージ・マーティン風の間奏が入ります。
さて,歌詞ですが不思議な世界です。
意味不明と言えばそうなんですが,ちょっと何かを暗示しているようです。
♪
さよなら人類 作詞・作曲 柳原幼一郎
二酸化炭素を吐き出して あのこが呼吸をしているよ
どん天模様の空の下 つぼみのままでゆれながら
何か不穏な空気感。大気汚染や公害問題のことでしょうか。
野良犬はぼくの骨くわえ 野生の力をためしてる
路地裏に月がおっこちて 犬の目玉は四角だよ
世界に跋扈する野良犬国家。力を示そうとしています。
ついに原爆を落として,ぼくは死んでしまったのでしょうか。
今日 人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ
こんな地球におさらばと,木星を目指した人類もいたか。
木星では人類もイチからやり直し。
アラビヤの笛の音ひびく 街のはずれの夢のあと
翼をなくしたペガサスが 夜空にはしごをかけている
武器をかついだ兵隊さん 南にいこうとしてるけど
サーベルの音はチャラチャラと 街の空気を汚してる
やはり,迫りくる戦争の空気感。
(略)
あのこは花火を打ち上げて この日が来たのを祝ってる
冬の花火は強すぎて ぼくらの体はくだけちる
ブーゲンビリヤの木の下で ぼくはあのこを探すけど
月の光にじゃまされて あのこのかけらは見つからない
冬の花火は原爆か大量兵器か。
きのこ雲の下では・・・。
(略)
サルにはなりたくない サルにはなりたくない
こわれた磁石を砂浜で ひろっているだけさ
だからと言って木星まで逃げてイチからやり直すのはちょっと。
かといって,サルに退化するのもちょっと。
壊れた磁石を砂浜で拾っている・・・?
ニュートンにこんな言葉があります。
I do not know what I may appear to the world, but to myself I seem to have been only like a boy playing on the sea-shore, and diverting myself in now and then finding a smoother pebble or a prettier shell than ordinary, whilst the great ocean of truth lay all undiscovered before me.
私はこの世界でどう見られているかはわからないけど,僕自身は砂浜で遊んでいる少年のようなものだと思っている。時々,滑らかな小石やかわいい貝殻を見つけるのに夢中になっているんだ。目の前には未発見の真実の大海原があるのにね。
また,私は傑作SF小説「星を継ぐもの」のあるシーンを思い出しました。
星を継ぐもの 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) - ジェイムズ・P・ホーガン, 池 央耿
今日 人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ
サルになるよ サルになるよ
人類はサルに退化したり,他の惑星でサルにならなければならないのでしょうか。
まあ,いろいろな解釈があると思いますので,これは1つの見方です。
サウンド面では,こちらの動画がおもしろいです。
この方の動画はビートルズをよく特集していて,見させていただいています。
最後に,この曲は宝酒造のCMにも使われました。
CM向きではないんですけどね。
つづく。
このヒットがあったからこそ,「たま現象」という言葉までできて,紅白にまで出場しました。
職場で20代の同僚に「『さよなら人類』って曲,知っている?」と聞いてみたら,やはり知りませんでした。
そうだよなあ。
「さよなら人類」は基本的に「イカ天」で発表したオリジナル・ヴァージョンとシングルで発売されたシングル・ヴァージョンがあります。
ファーストアルバム「さんだる」にはオリジナル・ヴァージョンが収録されています。
こちらがオリジナル・ヴァージョン。
後半に入るときに「サル~ サル~」という輪唱が入ります。
こちらがシングル・ヴァージョン。
輪唱は入りませんが,ビートルズのプロデューサーのジョージ・マーティン風の間奏が入ります。
さて,歌詞ですが不思議な世界です。
意味不明と言えばそうなんですが,ちょっと何かを暗示しているようです。
♪
さよなら人類 作詞・作曲 柳原幼一郎
二酸化炭素を吐き出して あのこが呼吸をしているよ
どん天模様の空の下 つぼみのままでゆれながら
何か不穏な空気感。大気汚染や公害問題のことでしょうか。
野良犬はぼくの骨くわえ 野生の力をためしてる
路地裏に月がおっこちて 犬の目玉は四角だよ
世界に跋扈する野良犬国家。力を示そうとしています。
ついに原爆を落として,ぼくは死んでしまったのでしょうか。
今日 人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ
こんな地球におさらばと,木星を目指した人類もいたか。
木星では人類もイチからやり直し。
アラビヤの笛の音ひびく 街のはずれの夢のあと
翼をなくしたペガサスが 夜空にはしごをかけている
武器をかついだ兵隊さん 南にいこうとしてるけど
サーベルの音はチャラチャラと 街の空気を汚してる
やはり,迫りくる戦争の空気感。
(略)
あのこは花火を打ち上げて この日が来たのを祝ってる
冬の花火は強すぎて ぼくらの体はくだけちる
ブーゲンビリヤの木の下で ぼくはあのこを探すけど
月の光にじゃまされて あのこのかけらは見つからない
冬の花火は原爆か大量兵器か。
きのこ雲の下では・・・。
(略)
サルにはなりたくない サルにはなりたくない
こわれた磁石を砂浜で ひろっているだけさ
だからと言って木星まで逃げてイチからやり直すのはちょっと。
かといって,サルに退化するのもちょっと。
壊れた磁石を砂浜で拾っている・・・?
ニュートンにこんな言葉があります。
I do not know what I may appear to the world, but to myself I seem to have been only like a boy playing on the sea-shore, and diverting myself in now and then finding a smoother pebble or a prettier shell than ordinary, whilst the great ocean of truth lay all undiscovered before me.
私はこの世界でどう見られているかはわからないけど,僕自身は砂浜で遊んでいる少年のようなものだと思っている。時々,滑らかな小石やかわいい貝殻を見つけるのに夢中になっているんだ。目の前には未発見の真実の大海原があるのにね。
また,私は傑作SF小説「星を継ぐもの」のあるシーンを思い出しました。
星を継ぐもの 巨人たちの星シリーズ (創元SF文庫) - ジェイムズ・P・ホーガン, 池 央耿
今日 人類がはじめて 木星についたよ
ピテカントロプスになる日も 近づいたんだよ
サルになるよ サルになるよ
人類はサルに退化したり,他の惑星でサルにならなければならないのでしょうか。
まあ,いろいろな解釈があると思いますので,これは1つの見方です。
サウンド面では,こちらの動画がおもしろいです。
この方の動画はビートルズをよく特集していて,見させていただいています。
最後に,この曲は宝酒造のCMにも使われました。
CM向きではないんですけどね。
つづく。
この記事へのコメント
この曲、1990年の発表ですか? 歌詞も曲調も’70年代のフォークっぽいですね。
誠に申し訳ないのですが、、、私、たまとジッタリンジンと、爆風スランプの曲がごっちゃになってしまうんですよ(´;ω;`)ウゥゥ
おはようございます。
青天の霹靂のように突然自分の中で沸いたたまへの郷愁。よろしければもう少しお付き合いください。<(_ _)>
若い人が一人でも興味を持ってくれたらなあ,なんて思っています。