Haiku in English on Sunday (633) 絵筆すてしわれに美術の秋来れど

日曜日は俳句の紹介と英訳。
「読書の秋」と言いますが,前回はノーベル文学賞のことを書きました。
そして,昨日は「芸術の秋」を堪能すべく,2つのギャラリーをはしごしました。

それは「第13回せんだい21 アンデパンダン展2024」。今日15:00まで開催しています。
「仙台発・無審査の美術展」とあります。詳しくは検索を。

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この美術展は仙台市内7か所で開催されており,その内の2か所に同僚の作品(絵画)があるのです。

最初に行ったのが「ギャラリー チフリグリ」。宮城野区五輪,よしぎん内。

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次に行ったのが「むかでや画廊」。青葉区一番町の老舗履物店の2階。

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おそらくプロではなく,別の仕事を持ちながら美術の世界に取り組む多くの人々。
私も創作の意欲をいただいて帰ってきました。


絵筆すてしわれに美術の秋来れど  上村占魚
(えふですてしわれにびじゅつのあきくれど)

電子句集「俳句嚢」より。
上村占魚(うえむらせんぎょ)は熊本県人吉市生まれの俳人(1920-96)。
本名は武喜,東京美術学校卒。松本たかしに師事し,後に「みそさざい」主宰。

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占魚は東京美術学校を卒業し,群馬県立富岡高等女学校の図画教師に赴任しましたが,翌年辞任し,俳句を専業とします。
(時期的に戦中戦後だと思いますが,俳句を専業とはものすごい覚悟ですね。)

戦後間もない1946年,第一句集「鮎」を上梓。故郷の人吉市はアユの里として有名で,俳号の「占魚」は「鮎」を二分したものといいます。

美術の先生の仕事を辞してまで俳句に専念した占魚。
「絵筆すてしわれ」とはそのことでしょう。

そんな私にも美術の秋がやってくる。美術への心残りはあるものの,私は俳句の道に進むのだ。


では,英訳してみます。

絵筆すてしわれに美術の秋来れど  上村占魚

Fall, the season of art
Has come to me, who threw away
All paintbrushes



最後に,この句の季語ですが,「秋」「秋来る」とすることもできますが,一部では「美術の秋」を季語とする団体もあります。
そのような結社では,「美術展」「美術展覧会」「二科展」「日展」を秋の季語とし,芸術の鑑賞の季節にふさわしいということで「美術の秋」を季語としています。


この記事へのコメント

2024年10月06日 07:23
おはようございます。

 その昔、私も河北展やアンデパンダン展を狙ったことも有りました。全然実力が足らなかったのですが…
 「よしぎん」さんに行かれたのですね。よしぎんさんの看板の所から東方向を見ると、昔の仙石線の線路跡が分かると思います。微妙なカーブの空き地やアパートの敷地が並んでいますので。
 ちなみに、一番町3丁目の「百足屋(むかでや)」さんは、以前私のブログで紹介した庭下駄を買った所です。百足屋さんも、昔はもう少し間口が広い店だったんですけどね。
2024年10月07日 05:58
あきあかねさん
美術展をねらっていたんですね。アンデパンダン展は審査があるんですか!?
今からでも・・・,私も創作に対しての意欲をいただいて帰ってきました。
確かにあのあたりは仙石線の名残りがあるところですね。最初カーナビが違うところを案内し,そんな余裕がありませんでした(笑)。