Haiku in English on Sunday (634) 歩きまはればたましひ揺らぐ紅葉山

日曜日は俳句の紹介と英訳。
この連休は久しぶりに天気に恵まれそうで,昨日あるところで紅葉を楽しみました。
そのことは後日書くとして,実際はこの写真よりきれいな紅葉でした。

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「紅葉」はもちろん秋の季語で,紅葉前線は確実に南下してきているようです。


歩きまはればたましひ揺らぐ紅葉山  本郷をさむ
(あるきまわればたましいゆらぐもみじやま)

俳句サイト「増殖する俳句歳時記」より。

本郷をさむ氏は昭和22年仙台市生まれの俳人。本名は修。
平成8年「木語」入会。山田みづえに師事。平成11年,木語新人賞・木語同人。平成16年,木語賞。俳人協会会員。

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この句が収められたのは句集「物語山」(2008年)。どうも本郷氏は登山家でもあるようです。

大滝の惑ふべきものなかりけり
アイゼンにカチリとあたる春の石
物語山返信のやうに朴落葉



桜は「花見」,月も「月見」なのに,なぜか紅葉は「紅葉狩り」
どうも,紅葉は見て楽しむものではなく,実際に山に入ってこそその本質に触れるもののようです。

色づいた樹木の葉に触れてこそ,閉じ込めておいた魂が揺れ動くのでしょう。

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(上の写真は2020年に別のところで撮ったもの)


では,英訳してみます。

歩きまはればたましひ揺らぐ紅葉山  本郷をさむ

My soul shakes
When walking around the mountain
Of red leaves



ちなみに,句集の名前になっている「物語山」は群馬県に実在する山です。

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かつてここに山城があり,落城の際に城の財宝を山中の巨岩「メンべ岩」(山頂の右側)に埋めたという物語が伝説で残っているんだそうです。





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