世界でいちばん長い小説といちばん短い小説

世界の小説の中で「いちばん長い1文」について書いてきたので,気になるのが「世界でいちばん長い小説」は何かということ。

よく言われるのが,マルセル・プルーストの「失われた時を求めて」
1913-1927年出版,フランス語原書3000ページ,日本語訳400字詰め原稿用紙10,000枚だそうです。

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これはギネスブックで認定されている「世界でいちばん長い小説」ですが,他にもギネスが「世界最長の小説」として認めたことがある作品が2つあります。

1つはジュール・ロマン著「善意の人々」(1932-1946年出版,全27巻)。

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もう1つは山岡荘八の「徳川家康」(1953-1967年出版,全26巻)。

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ここまでが,ギネスが認定したことがある3つの「世界最長の小説」ですが,他にもスキュデリー著「ル・グラン・シリュス」という小説は17世紀フランスの大長編で,全10巻,総語数は約2,000,000語ありますが,ギネスには載っていません。


他にも栗本薫さんの「グイン・サーガ」は140巻超えの大長編小説。外伝を含めると170巻を超えます。大学時代に読んでいた人がいました。
栗本薫さんは130巻まで執筆し,彼女が亡くなって以降も著書が複数体制となって続きが発表されています。

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2004年,ギネスブック「世界最長の小説」への申請がなされましたが,残念ながら未完であることを理由に却下されたそうです。


さらに,「宇宙英雄ペリー・ローダン」は1961年にドイツから刊行されたスペースオペラ小説。複数作家による執筆で,リレー小説の形式がとられています。シリーズ数は2800巻超え! 今でも週刊発行されているようです。

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こちらは,売上世界一の小説シリーズとしてもギネスに認定されています。


ちなみに,上記の小説はすべて私は読んだことがありません。


最後に,世界でいちばん短い小説は過去記事で。

→ For sale: baby shoes, never worn. 世界でいちばん短い小説?



この記事へのコメント

2024年10月23日 06:30
おはようございます。

 源氏物語も、全54帖で、結構な長編なのですが、上の小説達にはかなわないのでしょうね。その源氏物語でさえ、拾い読みしかできていない私は、そんな超長編小説には手が出せそうにありません(苦笑)
 ちなみに、私が学生時代、気を張って読破した長編小説はゲーテの「ファウスト」と、北杜夫の「楡家の人々」でした。途中で挫折した長編小説は、、、多数あります(笑)
2024年10月23日 22:13
あきあかねさん
こんばんは。源氏物語はきちんと通して読んでいないし,カラマーゾフの兄弟もいまだに途中。
これまで読んだ中で最長の小説は何だろう? 「罪と罰」は読みました。「白鯨」は読んでいて楽しかった。今日出てきた作家だと栗本薫さんの「ぼくらの時代」三部作はおもしろかった。追記しようかな。ヘミングウェイの「誰がために鐘は鳴る」も上下巻でボリュームあったけど,個人的には「武器よさらば」がお気に入りです。でも本当は「日はまた昇る」が粗削りだけど,ヘミングウェイの本質が見えます。毎年,カラマーゾフを今年こそは読もうと思うんですが・・・。