Haiku in English on Sunday (636) 団栗の寝ん寝んころりころりかな

日曜日は俳句の紹介と英訳。
前回,中島みゆきさんのことを書きましたが,彼女は大学生のときに英詩を訳す授業で「七五調こそ和訳」だと授業で披露したら全員大爆笑で,先生に「七五の人」と呼ばれたそうです。

その片鱗か,「時代」にも七五調があります。

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「そんな時代も あったねと いつか話せる 日が来るわ
あんな時代も あったねと きっと笑って 話せるわ」
「旅を続ける 人々は いつか故郷に 出逢う日を
たとえ今夜は 倒れても きっと信じて ドアを出る」


中島みゆきさんに俳句の作品があるかどうかはわかりません。少なくとも検索には引っかかりません。

さて,これは昨日撮ったドングリ(団栗)の写真。

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もちろん秋の季語で,クヌギ(櫟)の実のことを言いますが,一般的にはカシ(樫)やナラ(楢)などブナ科の実を総称して「団栗」と呼びます。


団栗の寝ん寝んころりころりかな  小林一茶
(どんぐりのねんねんころりころりかな)

坪内稔典著「俳句いまむかし ふたたび」より。

俳句いまむかし ふたたび - 坪内 稔典
俳句いまむかし ふたたび - 坪内 稔典

一茶の句を取り上げるのは11回目か。「八番日記」より。

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団栗の落ちる音を聞きながら子を寝かしつけている一句。一茶は50代半ばで初めて父親になりました。
団栗が庭に落ちたり,池に落ちている。いったいどんな話を聞かせているんでしょう。そんな親子はいつの間にか眠ってしまいます。

小林一茶の句の英訳はアメリカ最大の一茶研究サイト Haiku of Kobayashi Issa をよく参考にするのですが,13,120句を収めたこのサイトになぜかこの句は見つかりません。全部で8つの「団栗」の俳句が見つかるのですが。


では,英訳してみます。

団栗の寝ん寝んころりころりかな  小林一茶

Acorns are falling
Rock-a-bye, rocka-a-bye
My baby



ちょっと補って訳してみました。



この記事へのコメント

2024年10月27日 06:30
おはようございます。

 英訳、『Rock-a-bye』の繰り返しが嵌りましたね。『My baby』まで続くリズが心地よいです。

 西洋音楽は4拍子等、偶数拍子の曲が多いのですが、東欧から東洋までの国々では5拍子や7拍子等の奇数拍子の音楽が多いです。日本の民謡や演歌にも七五調の歌が多いですね。
のぶちゃん
2024年10月27日 12:52
お久しぶりです。
ドングリの俳句の翻訳。リズムを感じます。
台風がまた来るんですって。
米寿をこえると体力が急激的に衰えるのですね。これから暑さでなく寒さにも気をつけなくては!大阪では未だ夏日を記録しています。
2024年10月28日 06:19
あきあかねさん
フレーズの繰り返しはもちろん原句の繰り返しをそのまま英訳に生かしました。ただ My baby は複数形にしようか迷いましたが,調子から言って単数形にしました。お褒めいただき嬉しいです。
2024年10月28日 06:21
のぶちゃんさん
おはようございます。
リズム感を感じていただき嬉しいです。
こちらも昨日は暑くて,私は半袖ですごしましたが,温度差にお気を付けください。のぶちゃんさんも山形王子さんも元気そうで何よりです。