琉球音階のこと

前回,アメリカの作曲家フォスターの「金髪のジェニー」を坂本龍一さんとオキナワチャンズの3人が主となり「ロマンス」という曲を作ったという話を書きました。



これは私が持っているフォスター名歌集と「ロマンス」が収められているアルバム Beauty 。
たぶん,坂本さんのアルバムで持っている唯一のものです。

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不思議なのは,アメリカ人・フォスターの曲がなぜ沖縄民謡風に聞こえるのかということ。

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それは原曲「金髪のジェニー」Jeanie with the Light Brown Hair がいわゆる琉球音階に近いメロディーだからだと思われます。

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一般に琉球音階とは,五音音階の一種で,沖縄県全域や鹿児島県奄美群島の沖永良部島と与論島に伝わるレとラを除いたド・ミ・ファ・ソ・シ・ドの5音で構成される音階のこと。

ピアノで「レ」と「ラ」を抜いて,適当に鍵盤をたたくと,どこか沖縄ふうになるのはこのためです。

これは琉球音階で演奏した「かえるのうた」



琉球音階で鳴く沖縄のカエルさんが思い浮かびます。

こちらはヨハン・パッヘルベルの「カノン」
ヒット曲間違いなしと言われるカノン進行でおなじみです。



それが琉球音階になると・・・。



本当に沖縄の風が吹きました。


個人的にはどうしてこんなに沖縄のメロディーに惹かれるのか・・・?


次回に続く。



この記事へのコメント

2024年11月20日 07:10
おはようございます。

 「ペンタトニックスケール(五音音階)」は、日本ばかりでなく、スコットランドやインド等、様々な国の民謡で用いられているスケール(音階)です。そればかりか、ロックなど、現代の大衆音楽でもよく用いられています。
 例えば、「C・D・E・G・A」の5音からなる音階は、「Cメジャー・ペンタトニック(・スケール)」と言い、日本では「ヨナ抜き(4度と7度の音を抜いた、の意味)旋律」とよんで演歌や歌謡曲で多用されています。

 ただ、先生がおっしゃっているように、音楽はスケールだけではないんですよね。楽譜に現れない「グルーブ」とか、「バイブス」は、楽曲の大事な味付けです。と、いうか、それだけで成り立つ音楽さえあります。
 今回先生がご紹介くださった2曲、それを強く想起させる曲でした。

 ちなみにですが、この2曲共に、ダウンビートの曲で、2拍目にアクセントがあり、さらに3拍目が少し遅めに演奏されます。また、シンコペーションが多用され、いわゆる「横ノリ」の曲になっています。

 もうひとつちなみに、ですが、フォスターの「金髪のジェニー」ですが、テンポを少し上げて再生すると、いつの間にか「ハイサイおじさん」が空耳してきますよ(笑)
2024年11月20日 07:48
すいません、参考までに動画のリンクを貼ってみました。

 YMOの三人がグルーブとリズムについて語っている古い動画です。
 「④グルーブのないリズムの追求」
https://www.youtube.com/watch?v=cckGbwf1UtA

 リズムが生み出すグルーブ感が何なのであるのか、という事に対する深い考察と、それが現代の大衆音楽にどのように影響したのか、と言う流れを説明した動画です。私はこれを10年ほど前に見て、とても勉強になりました。
2024年11月21日 06:10
あきあかねさん
おはようございます。
昨日は一日出張で疲れてしまいました。紹介された動画ぜひ見てみたいと思います。
「金髪のジェニー」を速い速度で聞くと「ハイサイおじさん」! これは五音階が成せる技でしょうか。「ハイサイおじさん」は次回の記事にも登場します。
詳しい説明,ありがとうございました。
のぶちゃん
2024年11月21日 17:34
聞いた話で詳しくは分かりませんが、沖縄音階はヨナ抜きと言うんだそうです。
四と七の位置に有る音階を抜く様で独特だそうです。
  知らんけど。
2024年11月22日 06:06
のぶちゃんさん
お久しぶりです!
ヨナ抜き音階は,明治以降の日本的な音階で軍歌,寮歌,唱歌や歌謡曲などでも多く使われています。
https://www.youtube.com/watch?v=MEVumNjfeGM
「アカシアの雨がやむとき」もその例で,スコットランド民謡の「蛍の光」もこの例です。
一方,レとラを抜いた琉球音階はニロ抜き音階と呼ばれ沖縄で広く使われるようです。ただ徳之島以北は本土(?)と同じヨナ抜き音階のようです。
このあたり私もごちゃ混ぜになります。日本の音階の呼び方が「ヒフミヨ・・」だったり「ハニホヘ・・」だったりするからだと思います
のぶちゃん
2024年11月22日 17:26
ついでに、、、、
私はドレミファ國民學校三年生の夏に昭和天皇の終戦詔勅をラジヲで聞いた世代、「畏れ多くも」聞いた世代です。兄は昭和三年生まれで音階をドレミファソラシドで習ったそうですが、私の世代はハニホヘトイロハで習いました。わたしが新制中学校二年生になったお祝いにハーモニカと万年筆•フォンティンペンを買って貰ってGペンを使い筆記体で嬉しく誇らしげに大文字小文字を練習したものです。
そのハーモニカを吹くのに音階を数字で表現するのですよ。ドレミ、、、、ハニホ、、、、4.5.6とね。
混乱しましたよ。ストライクを「いい球」と言い換えたことと理由は又違いますが、、、、
2024年11月24日 08:04
のぶちゃんさん
貴重な話ありがとうございます。「耐へがたきを耐へ」を聞かれたんですね。
余談ですが,私も筆記体を習ったときは,背伸びしたような,とてもワクワク感があったのですが,今では教えませんし,教えるにしてもなかなか時間は確保できません。覚えたほうがいいんですけどね。
昔,宮城県では中1に英習字コンテストという与えられた英文を筆記体に直すという大会があったのですが,今では英作文コンテストと一緒になくなってしまいました。まあ,一部の生徒のための大会にかける準備と時間は大変なものだからでしょうか。ただ,英語暗唱・弁論大会は残っていて,弁論大会は全国大会につながっています。問題は最近は多様なバックグランドを持った生徒がいるので,出場基準をはっきりしないといけなかったり,どちらかの親が英語圏の人だと出場できないなど,当人はかわいそうだけど,他の生徒は不公平感を感じるのでしょうか。やがてはすべてオープンな時代が来るのかな。