湯気と水蒸気(2) 国語辞典から

前回は,理科の授業で湯気と水蒸気がどう違うのか,「復習」として確認していた話を書きました。
おそらく,小学校ではこう習いましたよね,ということなのでしょうか。
(中学校ではどう学習するのかはわかりませんが。)

その違いは・・・

湯気・・・・見えるので「液体」
水蒸気・・・見えないので「気体」


ということでした。

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では,広辞苑ではどう定義しているのでしょう。

ゆげ【湯気】湯・水・氷などの表面から立ちのぼる水蒸気が小さな水滴となり,白く煙のように見えるもの。

すいじょうき【水蒸気】水が蒸発して気体になったもの。蒸気。


「湯気」は他の辞書もだいたい同じなのですが「水蒸気」に多少の違いが見られておもしろいです。

岩波国語辞典では・・・

すいじょうき【水蒸気】水が蒸発して気体となったもの。気体状態の水

新明解国語辞典では・・・

すいじょうき【水蒸気】
①水が蒸発して気体となったもの。〔広義では,湯気を含む〕
②「水蒸気①」が冷えて煙のように見えるもの。



どうも,国語辞典では,気体の状態の水が「水蒸気」で,それが冷えたりして白く見えるようになったものが「湯気」のようです。

個人的には「水蒸気」は科学的表現,「湯気」は生活上の表現という感じを受けます。

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なんか,英語表現までまだたどり着けません。

つづく



この記事へのコメント

2024年11月26日 06:14
おはようございます。

 さすが広辞苑は簡潔に核心を捉えた説明です。科学的にも文句のつけようが有りません。
 新明解の『〔広義では,湯気を含む〕』と言う但し書きも、確かに、一般的には湯気も水蒸気という事があるので必要な説明なのかもしれないのですが、困惑の元でしょうね。
 先生の、『「水蒸気」は科学的表現,「湯気」は生活上の表現』と言うのも良く分かります。普段の生活で「湯気」と「水蒸気」を言い分けたりしませんもの。
2024年11月28日 05:52
あきあかねさん
おはようございます。
日常生活で「水蒸気が見える」とか「水蒸気が出ている」とはあまり言わないような気がします。「湯気で見えない」とか「湯気でガラスが曇った」など,湯気ですよね。蒸気を使うとしたら「蒸気機関車」かなあ。やはり「水蒸気」は理科の授業という感じです。