Haiku in English on Sunday (645) ゆく年や蕎麦にかけたる海苔の艶

日曜日は俳句の紹介と英訳。
これは昨日の仙台駅東口の2階通路。駅裏なんて言ったら怒られるのでしょうか。今は誰も言わないか。

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下の写真左側のヨドバシカメラにはインバウンドの観光客と思われる人もたくさん。とても賑わっていました。

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人々は慌ただしく行き交い,年の瀬を過ごしてます。
「年の瀬」「年末」「年の暮」はまさにこの時期の季語ですが,「行く年」となるとさらに押し詰まった感じがあります。明日や明後日はこの季語が合ってくるでしょう。


ゆく年や蕎麦にかけたる海苔の艶  久保田万太郎
(ゆくとしやそばにかけたるのりのつや)

「俳句発想法歳時記 冬・新年」より。

俳句発想法歳時記 (冬・新年) (草思社文庫 ひ 1-2) - ひらの こぼ
俳句発想法歳時記 (冬・新年) (草思社文庫 ひ 1-2) - ひらの こぼ

久保田万太郎(1889-1963)は東京浅草生まれの文人で,ここで取り上げるのは2度目だと思います。

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もちろんこの蕎麦は年越しそばなのでしょう。
さすが江戸っ子,ざるそばにかけた海苔はパリパリの浅草海苔を刻んだものでしょう。
その刻み海苔が新鮮で光を反射しています。


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では,英訳してみます。

ゆく年や蕎麦にかけたる海苔の艶  久保田万太郎

A year has almost gone
Small pieces of laver are glittering
On soba noodles



今年もあっという間でした。早いです。



この記事へのコメント

あきあかね
2024年12月29日 07:24
おはようございます。

 「駅裏」等と言うのは、もはや我々の様な頑固な年寄りだけとなっています(笑) むしろ、最近は西口よりも東口駅前の方が賑わっていたりしますね。西口駅前は大型商業施設がほとんど無くなりましたから。’25年2月には元・ダイエー仙台店、現・イオン仙台駅前店の「読売ビル」が解体されますので、パルコやアエルぐらいしかなくなります。

 「海苔」って、「laver」と言う言い方もあるのですね。初めて知りました。もっぱら「seaweed」だけでした。
2024年12月30日 07:08
あきあかねさん
おはようございます。確かにヨドバシカメラが本当に隣接し,東側が栄えてきましたね。仙台ホテルがなくなってショックを受けたのに,さくらのが閉店,そして読売ビルがなくなる! あの跡地は何になるのですか!?
最初はseaweed を考えていたんですが,この単語は「海藻」全般を指すことがあり,意味が広いんですよね。(green) laver はいわゆるアオノリで,焼きのりが toasted laver,味付けのりが seasoned laver など一般的な海苔によく使われるようです。でも,外国人にはあまり好かれていないので内巻きのカリフォルニアロールが生まれたのですね。