Haiku in English on Sunday (650) 羽もなく鰭もなく春待つており

日曜日は俳句の紹介と英訳。
今日は節分。今年は明日3日が立春となります。
とはいえ,まだまだ寒いんですが,「暦の上ではもう春になるのかあ」なんて春を待ちこがれてしまいます。

季語としては「春待つ」「春を待つ」「待春」があります。
似たような季語に「春隣」「春近し」もあります。

「春隣」が客観的に春の訪れが近いことを述べる季語なのに対して,「春待つ」は主情的な季語になります。

羽もなく鰭もなく春待つており  藤井あかり
(はねもなくひれもなくはるまっており)

小澤實著「名句の所以」より。

名句の所以 近現代俳句をじっくり読む (澤俳句叢書 第 24篇) - 小澤 實
名句の所以 近現代俳句をじっくり読む (澤俳句叢書 第 24篇) - 小澤 實

藤井あかり氏は昭和55年神奈川県生まれの俳人。石田郷子門,「椋」同人。
今日の一句は句集「封緘」(平成27年)所載。

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我々人間の背中には羽もなく,胸にはひれもありません。
鳥や魚のように,この寒さから逃げていくわけもいかず,ただ春の到来を待っています。

幼い頃は翼があればなあ,なんて妄想したものですが,大人になった今はそんなことは不可能だと認識しています。

でも,春になれば,この寒い場所も変わっていきます。草木が芽吹き,花が咲きます。
季節の変化は,羽やひれを手に入れるよりずっと大きい意味がある
んですね。


では,英訳してみます。

羽もなく鰭もなく春待つており  藤井あかり

Without wings,
Without fins, I'm just waiting
For spring to come



雪の予報も出ていますし,もう少し寒さが続きそうですね。



この記事へのコメント

2025年02月02日 07:01
おはようございます。

 長期予報が出ていましたが、春まではまだまだ厳しい寒さが横たわっているようです。ホント、翼や鰭でひと跳び、ひと泳ぎで乗り越えてしまいたいです。
2025年02月03日 05:55
あきあかねさん
昨日は天気も良く蒲団も干しました。まだ日差しは弱いですが。
でも,今週はちょっと雪が降るかもしれませんね。まだまだ寒いです。しかも感染症が猛威をふるっています。気をつけないといけませんね。
まあ人間は季節を待つしかできませんから。