「今度」と「次」はどう違う?

前回は「公爵」と「伯爵」の違いについて書きました。
ちょっと気になっただけなので,爵位の違いについてはそれぐらいにしておきます。

さて,今回は別の「違い」の話。
またまた,いつも聞いているNHKラジオの「国語辞典サーフィン」から。
メインパーソナリティーは東北芸術工科大学の先生もしている芸人のサンキュータツオさん。

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こちら神戸市営地下鉄の発車案内。

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関西圏の人は「先発」「次発」「次々発」という言い方に慣れているそうです。

こちらの大阪メトロでもそのような表記になっていますね。

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そんな関西出身の人が東京に出てきて関東式の発車案内に戸惑うんだそうです。

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「今度」と「次」!?

これなんかは「今度」「次」「そのつぎ」「そのあと」!?

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とりあえず,「今度」と「次」は何が違うの?

岩波国語辞典 第八版から・・・

今度
①このたび。今回。「今度着任した先生」
②この次。「今度したら許さないぞ」

①は now で,②は next ですね。


①すぐあとに続くこと。順序・順位がすぐあと(のもの)。「次の日」「次から次へ(と)」「次の間」「部長の次にえらい」
②馬や駕籠(かご)を乗りつぐところ


「次」が「すぐあと」のことなのに対して,「今度」は時間の幅がありそうですね。

現代国語例解辞典 第五版の「今度」は・・・
①今回。何度か行われる物事の中で,今行われている,また,行われたばかりのものについていう。「今度は成功した」
②この次。次回。何度か行われる物事の中で,近い将来行われるものについていう。「今度はいつ会えるかしら」
③このたび。今般。最近決まったばかりの物事についていう。副詞的にも用いる。「今度転勤することになりました」


「今度」は直近の過去から近い将来まで幅広い時間の感覚があります。

三省堂国語辞典 第八版には電車についてふれているそうです。

今度
①何度もくり返される ものごとのうち,今の分。
「今度の電車」〔=今来ている,または,もうすぐ来る電車〕
反対語は(次の電車)
と書いてあるそうです。



つまり・・・

「今度」はいま自分がいる時間と場所から近い「過去・未来」だから「先発」。
「次」は過去形では使えないので,関西風に言うと「次発」。


ということになります。

ただ,番組では触れていなかったのですが,関東でも鉄道会社はいくつもあって,東京メトロでは「先発」「次発」を採用しているようです。

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今度の記事はいかがでしたか? 次は何を書こうかな。



この記事へのコメント

2025年02月06日 06:24
おはようございます。

 ”違い”シリーズも面白いのではないですか(⌒∇⌒)

 「先発」、「次発」の表示は見たことがあるのですが、「今度」とか「つぎ」等と言う表示は初めて見ました。
 ちなみにですが、仙石線ではこうした表示が有りません。乳腺ホーム番号と出発時間、行先表示、普通、急行の表示だけです。
2025年02月07日 05:38
あきあかねさん
おはようございます。
確かに仙台ではあまり意識したことはありませんね。地下鉄も同じ案内板の中に上りと下りが番線とともに表示されているんじゃないかな。これは数分おきに種類の違う電車が来るレベルの都会ならではなのでしょう。
以前「回送」の英語表示の違いを調べたことがありますが,「違い」についてはまたいつか気になることができるのではないかと思います。