トンガ少年漂流記(1) 6人の少年
漂流物の小説と言えば「十五少年漂流記」で小学生の頃読んだ記憶があるのですが,内容はよく覚えていません。

十五少年漂流記 (講談社青い鳥文庫) - ジュール ベルヌ, 金 斗鉉, Jules Verne, 那須 辰造
またはノーベル賞作家ゴールディングの「蠅の王」も有名ですが,これは読んでいません。

蠅の王 (新潮文庫) - ウィリアム・ゴールディング, William Golding, 平井 正穂
これらは少年たちの漂流を描いた小説ですが,小説の上を行く実際の漂流,そしてサバイバル生活を送った少年たちがいます。
最近ラジオで知った実際の出来事・・・。
トンガは南太平洋のポリネシアに位置する王国。

1965年,トンガの6人の10代の少年たちがトンガタプ島の港から冒険しようと,ほとんど無計画に漁船を盗んで海に出ました。
トンガタプ島はトンガの南部諸島に位置し,国内で最も人口密度の高い島で,人口は7万を超えるそうです。

さて,海へ出た6人の少年ですが,その夜,嵐に巻き込まれて漁船が破損し,水も食料もなく8日間海上を漂流。
最終的に160キロ離れた無人島,アタ島の海岸に流れ着きます。

もちろん,この漂流譚,生存者がいなければ詳細はわかりません。
しかし,現在は70歳をこえる愛称マノが19歳の当時を振り返ります。彼は生き延びたのです。
マノはトンガの2平方キロメートルの小さな島で生まれました。
地理や歴史を学び始めると,自分の島よりずっと大きなフィジー,ニュージーランド,オーストラリアを知り,どうやったらこの環境から抜け出せるのだろう,と考えました。広い世界を見たくなりました。
ある日,学校の友だちに「フィジーに行くつもりだけど一緒に来るか」と誘われます。
その日,学校が終わると海岸へ向かい,船を物色し,所有者の男が帰ったあと,6人はその船に乗り込み海に出たのです。
6人は15〜19歳の少年。そのうちのひとりの父親が同じ船を持っていたので,操縦がうまかった。
マノたちは帆を上げ,港を出ました。いい風が吹いていたそうです。
街の明かりが見えなくなる頃には夜も深まりましたが,風が強く,波が高くなってきました。
嵐です。帆を下ろすことまで考えずに,帆は風で折れてしまいました。
翌日は小雨。マノたちは広い海を漂流しています。帆もありません。
船内にあった缶に雨水を貯めましたが,食料はありません。
泣き出す者もいましたが,できることは何もありません。
とにかく希望を捨てずにいよう,励まし合いましたが,マノは内心,死ぬかもしれないと不安だったそうです。
漂流を続けて8日目の朝,アタ島を発見しました。かなり遠くに見えるくらいの距離でしたが,時間をかけてゆっくりと風がマノたちを島へと運んでくれました。
島に到着したのは真夜中でした。
つづく

十五少年漂流記 (講談社青い鳥文庫) - ジュール ベルヌ, 金 斗鉉, Jules Verne, 那須 辰造
またはノーベル賞作家ゴールディングの「蠅の王」も有名ですが,これは読んでいません。

蠅の王 (新潮文庫) - ウィリアム・ゴールディング, William Golding, 平井 正穂
これらは少年たちの漂流を描いた小説ですが,小説の上を行く実際の漂流,そしてサバイバル生活を送った少年たちがいます。
最近ラジオで知った実際の出来事・・・。
トンガは南太平洋のポリネシアに位置する王国。

1965年,トンガの6人の10代の少年たちがトンガタプ島の港から冒険しようと,ほとんど無計画に漁船を盗んで海に出ました。
トンガタプ島はトンガの南部諸島に位置し,国内で最も人口密度の高い島で,人口は7万を超えるそうです。

さて,海へ出た6人の少年ですが,その夜,嵐に巻き込まれて漁船が破損し,水も食料もなく8日間海上を漂流。
最終的に160キロ離れた無人島,アタ島の海岸に流れ着きます。

もちろん,この漂流譚,生存者がいなければ詳細はわかりません。
しかし,現在は70歳をこえる愛称マノが19歳の当時を振り返ります。彼は生き延びたのです。
マノはトンガの2平方キロメートルの小さな島で生まれました。
地理や歴史を学び始めると,自分の島よりずっと大きなフィジー,ニュージーランド,オーストラリアを知り,どうやったらこの環境から抜け出せるのだろう,と考えました。広い世界を見たくなりました。
ある日,学校の友だちに「フィジーに行くつもりだけど一緒に来るか」と誘われます。
その日,学校が終わると海岸へ向かい,船を物色し,所有者の男が帰ったあと,6人はその船に乗り込み海に出たのです。
6人は15〜19歳の少年。そのうちのひとりの父親が同じ船を持っていたので,操縦がうまかった。
マノたちは帆を上げ,港を出ました。いい風が吹いていたそうです。
街の明かりが見えなくなる頃には夜も深まりましたが,風が強く,波が高くなってきました。
嵐です。帆を下ろすことまで考えずに,帆は風で折れてしまいました。
翌日は小雨。マノたちは広い海を漂流しています。帆もありません。
船内にあった缶に雨水を貯めましたが,食料はありません。
泣き出す者もいましたが,できることは何もありません。
とにかく希望を捨てずにいよう,励まし合いましたが,マノは内心,死ぬかもしれないと不安だったそうです。
漂流を続けて8日目の朝,アタ島を発見しました。かなり遠くに見えるくらいの距離でしたが,時間をかけてゆっくりと風がマノたちを島へと運んでくれました。
島に到着したのは真夜中でした。
つづく
この記事へのコメント
この本は知りませんでした。続きが楽しみです。
小学生の頃は無人島を冒険してみたいとは思っていましたが、、、今は勿論ムリです(笑)
おはようございます。
「トンガ少年漂流記」という書籍は存在しません。今回ラジオで聞いた話をネット記事で補いながら,私が勝手に書いています・・・。
ちょっと小分けで書いていきますので,乞うご期待。