Haiku in English on Sunday (659) 春の風顔いつぱいに吹く日かな

日曜日は俳句の紹介と英訳。
仙台は桜の開花宣言が出ましたが,見頃はまだなのでちょっと遠出。天気も良く,山形県の南陽方面に。

「やまがた百名山」の1つ高ツムジ山の一部を成す十分一山(じゅうぶいちやま)に登りました。
とは言っても,この山はなんと車で頂上まで行ける百名山なのです。

十分一山には南陽スカイパークという場所があり,ここからハンググライダーやパラグライダーが楽しめるのです。

3akayu.jpg

遠くには飯豊山系や朝日山系の山々が見え,眼下には南陽の街並みが広がります。
グライダーは春風の上昇気流に乗ってどんどん上がっていき,空を舞っています。

3akayu1.jpg

私もグライダーに乗ったのかって? 

まさか・・・。季語「春風」「春の風」を感じるだけでじゅうぶんです。

春の風顔いつぱいに吹く日かな  成田千空
(はるのかぜそらいっぱいにふくひかな)

小澤實著「名句の所以」より。

名句の所以 近現代俳句をじっくり読む (澤俳句叢書 第 24篇) - 小澤 實
名句の所以 近現代俳句をじっくり読む (澤俳句叢書 第 24篇) - 小澤 實

成田千空(なりたせんくう)は青森市出身の俳人(1921-2007)。本名は力。
青森工業学校卒業後,上京して就職しますが肺結核により帰郷。闘病中に句作を始める。

五所川原市に移住し,農業を営みながら俳人として活動。
戦後は中村草田男師事し,青森在住のまま1988年「萬緑」の選者に就任し,2001年より主宰。2005年より読売俳壇選者。

成田千空.jpg

青森高校時代の寺山修司の俳句指導を行なっていたことでも知られます。

寺山修司高校生.jpg

この風は千空の故郷,津軽の春の風でしょう。
厳冬を乗り越えた春の喜びを感じる風です。それを顔全体で受け取っているのです。


では,英訳してみます。

春の風顔いつぱいに吹く日かな  成田千空

Spring wind!
It's a day when my whole face
Receives it, isn't it?



次の週末は白石川一目千本桜など,このあたりの桜の名所はかなりにぎわうことでしょう。


この記事へのコメント

2025年04月06日 07:17
おはようございます。

 気の早い人はもう、西公園などに繰り出しているようですが、やはり見頃は今週末あたりでしょうね。
 この「十分一山」は名前が面白いので記憶に残って居ます。山形から米沢へ向かう途中の13号線沿いにある山ですよね。仕事で通る度に眺めていました。ま、山と言うよりも、丘陵のような景色でしたけど、サクランボ畑(だったと思います)が広がっていて、見事でした。もう二十年以上前の話です。
2025年04月07日 06:03
あきあかねさん
おはようございます。
ニュースでも榴岡公園の様子を放送していました。3分咲だそうで,木によっては満開のようなものもありました。西公園も出店が出ていて,花見が始まっていますが,今週の半ばあたりからがピークになるのかな。
南陽の山々の斜面では今はブドウが作られているのかな。ワインもけっこう聞きます。いいところですね。