eye black

前々回,野球用語で paint the black (投手がストライクをねらって,ホームベースの黒い部分をかすめるように投げること)について書きました。

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「黒く塗る」ということで,最初はスポーツ選手がよく目の下に墨を塗ることかと思いましたが,違いました。

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では,目の下の墨,シールなどは英語で何というのか?

それは「eye black」。以下,英語版 Wikipedia から。

Eye black is a grease or strip applied under the eyes to reduce glare, although studies have not conclusively proven its effectiveness. It is often used by American football, baseball, softball, and lacrosse players to mitigate the effects of bright sunlight or stadium floodlights.

「eye black」はまぶしさを減らすために両目の下に塗る油脂や貼るシールのことだが,その効果は完全には証明されてはいない。明るい日光やスタジアムの照明の効果を軽減させるために,アメリカンフットボール,野球,ソフトボールやラクロスの選手によってよく使用される。


「効果は完全には証明されてはいない」って・・・(笑)。

その歴史については・・・

One of the earliest known instances of a player wearing eye black is baseball legend Babe Ruth, who, in or around the 1930s, used the grease in an attempt to reduce sun glare. According to Paul Lukas of ESPN.com, eye black caught on with American football player Andy Farkas. He also states that the original eye black was made from the ashes of burned cork.

「eye black」をつけた選手でもっとも早い時期で知られる例は,野球界の伝説,ベーブ・ルースで,彼は1930年代あたりに太陽のまぶしさを減らす目的で油脂(グリース)を使った。ESRN.com のポール・ルーカスによると,「eye black」はアメリカンフットボール選手のアンディ・ファーカスが使った。彼によると最初の eye black は燃やしたコルクの灰から作られたという。


ベーブ・ルースは早い時期に塗ったようですが,その写真は見つけられませんでした。
ただ,彼が最初の人物だと主張している動画はあります。

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あまり関係はありませんが,これは仙台で打ったホームランが落ちた地点に立っている彼の銅像。

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また,アメフト界ではアンディ・ファーカスが早くから使ったようです。

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彼の名前がついた商品が見つかりました。

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「効果が証明されていない」と書きましたが,日本版 Wikipedia では・・・
青い目の人間は他の色の者より,また男性は女性より効果が低いんだそうです。
でも,被験者が少ないので,今後も更なる実験が必要だそうです。

最後に,メジャーリーグ(MLB)では,相手を威嚇するために顔全体に塗ると罰金の対象になったり,許可なくロゴやメッセージのついたアイブラックを使用することも禁止だそうです。また,プロフットボールリーグ (NFL) でも同様の規則がありますが,守っていない選手が多いんだとか。



この記事へのコメント

2025年05月19日 06:20
おはようございます。

 これ、化粧(顔の)の起源とも関連していて面白いんですけどねぇ…
2025年05月20日 06:08
あきあかねさん
おはようございます。
「化粧の起源」に関係するんですか!? 化粧には疎くてわかりません。
あれだけ多くの選手がしているんですから効果はあるんでしょうね。