カモン 家紋(3) coat of arms
前回,英単語の crest について書きました。
school crest は「校章」,family crest は「家紋」ということになるでしょう。
ロングマンの辞典では,coat of arms を参照とあります。
coat of arms
a set of pictures or patterns painted on a shield and used as the special sign of a family, town, university etc
盾に描かれた一連の絵または図案で,家族,町,大学などの特別な記号として使われる
いわゆる「紋章」ですが,Wikipedia によると,その条件は同じ図案の紋章が2つ以上あってはならないこと,代々継承された実績を持つ世襲的なものであることだそうで,厳密な意味では,紋章と呼べる要件を満たしているものはヨーロッパと日本にしか存在しないとか。
これはイギリスのパスポート。

表に描かれているのがイギリス国王の紋章であり,イギリスの国章です。

この国章はスコットランド以外のイギリス全域で使われています。
スコットランド以外?
中央の盾を支える左側のライオンはイングランド王家,右側のユニコーンはスコットランド王家を表すんだそうです。
ライオンが冠をかぶっているのは,イングランドの方が優勢だということを示しているようにも見えます。
盾に部分は4つに区切られています。
左上と右下の赤地に金のライオンが3頭並ぶ図柄はイングランドのシンボル。
右上の黄色地に赤いライオンの図柄はスコットランド。
左下の青地にハープはアイルランドを表すそうです。
ウェールズは王国ではなく公国で格下と見られていたため,加えられていません!
文字に注目すると,英語っぽくないなあ・・・。

国章の下部のリボンにはフランス語で「Dieu et mon droit」と書かれ,英語では「God and my right(神と我が権利)」という意味なんだそうです。
イングランドのリチャード1世が1198年の戦いでフランス王を打ち負かした時に発したとされる言葉で,自軍が神に選ばれたからだといいます。
当時のイングランド王家など上流階級ではフランス語が主要言語として使われていました。
イングランド王家はフランス出身だったからです。
もう1つの盾の周りを囲んでいる標語もフランス語です。
「Honi soit qui mal y pense」と書かれていて,英語で「May he be shamed who thinks badly of it(悪意を抱く者に災いあれ)」という意味だそうです。
これは,14世紀のエドワード3世の言葉だとされています。
彼がいとこのジョーン・オブ・ケントと踊っているとき,彼女が着けていたガーター(靴下留め)がずり落ちてしまい,周りの人々が嘲笑したときに言った言葉だそうです(笑)。
ちょっと話が長くなりそうなので,気になるスコットランドバージョンの国章は来週へ.。
つづく
school crest は「校章」,family crest は「家紋」ということになるでしょう。
ロングマンの辞典では,coat of arms を参照とあります。
coat of arms
a set of pictures or patterns painted on a shield and used as the special sign of a family, town, university etc
盾に描かれた一連の絵または図案で,家族,町,大学などの特別な記号として使われる
いわゆる「紋章」ですが,Wikipedia によると,その条件は同じ図案の紋章が2つ以上あってはならないこと,代々継承された実績を持つ世襲的なものであることだそうで,厳密な意味では,紋章と呼べる要件を満たしているものはヨーロッパと日本にしか存在しないとか。
これはイギリスのパスポート。

表に描かれているのがイギリス国王の紋章であり,イギリスの国章です。

この国章はスコットランド以外のイギリス全域で使われています。
スコットランド以外?
中央の盾を支える左側のライオンはイングランド王家,右側のユニコーンはスコットランド王家を表すんだそうです。
ライオンが冠をかぶっているのは,イングランドの方が優勢だということを示しているようにも見えます。
盾に部分は4つに区切られています。
左上と右下の赤地に金のライオンが3頭並ぶ図柄はイングランドのシンボル。
右上の黄色地に赤いライオンの図柄はスコットランド。
左下の青地にハープはアイルランドを表すそうです。
ウェールズは王国ではなく公国で格下と見られていたため,加えられていません!
文字に注目すると,英語っぽくないなあ・・・。

国章の下部のリボンにはフランス語で「Dieu et mon droit」と書かれ,英語では「God and my right(神と我が権利)」という意味なんだそうです。
イングランドのリチャード1世が1198年の戦いでフランス王を打ち負かした時に発したとされる言葉で,自軍が神に選ばれたからだといいます。
当時のイングランド王家など上流階級ではフランス語が主要言語として使われていました。
イングランド王家はフランス出身だったからです。
もう1つの盾の周りを囲んでいる標語もフランス語です。
「Honi soit qui mal y pense」と書かれていて,英語で「May he be shamed who thinks badly of it(悪意を抱く者に災いあれ)」という意味だそうです。
これは,14世紀のエドワード3世の言葉だとされています。
彼がいとこのジョーン・オブ・ケントと踊っているとき,彼女が着けていたガーター(靴下留め)がずり落ちてしまい,周りの人々が嘲笑したときに言った言葉だそうです(笑)。
ちょっと話が長くなりそうなので,気になるスコットランドバージョンの国章は来週へ.。
つづく
この記事へのコメント
「中二病」を患っている時でしたか(笑)、「騎士物語」やシェークスピアの歴代王記を読み漁ったり、紋章を調べたりしていた時がありました。西欧の紋章はどんどん追加されて行くので、日本の家紋よりは複雑で面白い物だったのですが、それだけに記憶に残りにくく、今はほとんど忘れてしまっています。
おはようございます。
騎士道物語は大学の授業でアーサー王を英文で読まされたくらいかなあ。文章なので紋章などは気にしていませんでした。
日本の家紋のルーツは中国なのかなあと思いましたが,中国王朝はそれほど家紋的なものは見当たらないようです。滅亡を繰り返すことや役人は科挙制度を採用するので家紋は生まれなかったのでしょうか。まあ,国や姓の漢字自体が家紋みたいなものですが。