Haiku in English on Sunday (670) 朝取りのトマトのような噓ついて

日曜日は俳句の紹介と英訳。
梅雨に入ったと思ったら猛暑の毎日。昨日は夏至でした。
暑くていいことはあまりないのですが,植物の生育には夏の暑さは欠かせません。

トマト夏の季語ですが,今では一年中スーパーで売っています。
「蕃茄」「赤茄子」などとも言われる南米アンデス高原原産のナス科の野菜。

トマトが野菜か果物かについては,過去記事で。 → トマト裁判 

トマトなんてどれも同じだろう,と言われそうですが,私にはお気に入りのトマトがあります。
それは近所の生協で売っている田尻産のトマト。でも夏季しか売っていません。
これは3つ入りで1つ食べてしまった田尻産トマト。

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朝取りのトマトのような噓ついて  土谷 倫
(あさどりのトマトのようなうそついて)

坪内稔典著「俳句いまむかし ふたたび」より。

俳句いまむかし ふたたび [ 坪内 稔典 ] - 楽天ブックス
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土谷倫氏は1946年生まれ,兵庫県伊丹市在住の俳人で「船団」会員。

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「トマトのような嘘」と言われても,どんな嘘かは計り知れないのですが,「朝取りのトマトのような嘘」と言われると,どこか罪のない,場を和ませるような快いウソのような気がします。

個人的には下七を「噓ついて」と流す形は好きではありません。その後はご想像にお任せしますと言われた感じを受けます。


では,英訳してみます。

朝取りのトマトのような噓ついて  土谷 倫

I told a lie
Just like a tomato picked
In this morning



今日の文章の中に小さなウソを紛れ込ませようとしたのですが,やめました。
その代わり,小さなダジャレを入れました。

それは・・・

(トマトは)「蕃茄」「赤茄子」などとも言われる南米アンデス高原原産のナス科の野菜。

「ナス科」と地上絵で有名な「ナスカ」をかけました(笑)。



この記事へのコメント

2025年06月22日 07:41
おはようございます。

 「ナス科」と「ナスカ」なるほど(笑)
 5月に入った頃からトマトの値が徐々に下がり始め、最近は毎日食べられるくらいの値になりました。トマト好きの私は朝に夕にトマトを摂ることに勤しんでいます。先生が写真をお出しになっためぐみのの3個入りのトマトも良く買っていますよ。

 さて、この句ですが、”軽口”のような面白い句ですね。「あんた、トマトのような嘘ついて」って、嘘をついた人に向かって決めつけているような、一時の瞬間を切り取ったような面白さを感じました。
2025年06月23日 05:59
あきあかねさん
おはようございます。
トマト好きなんですね! 私も毎日のように食べます。一番好きなのはがぶりとそのまま食べる方法。でも時々中身が服に飛ぶことがあります。田尻産のトマトが好きなのはおそらく品種でしょう。「朝取りのトマト」を嘘と結びつけるところが俳句のおもしろさで,これが小説の中に出てきたのでは意味不明となってしまいます。まさか,昨日採ったのに,今朝採ったと言っているわけではないと思うのですが(笑)。