岩手の五葉山へ(4) ヒノキアスナロ原生林と日の出岩

前回,五葉山の頂上に着いたところまで書きました。

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でも,五葉山はここで終わりではないのです。
もし知らないで引き返したら,絶対後悔してしまいます。

山頂(1340メートル)からさらに続く道があります。

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さらに高い本当の最高地点に向かいます。

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その先には何か突起物のようなものが見えます。

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登り終わると風景が変わります。

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異世界です。ここはヒノキアスナロ(別名ヒバ)の原生林が残っているのです!

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ヒノキアスナロは防腐性・耐水性に優れ,神社仏閣や城などの建築に古くから使用されてきました。

シリーズ(1)で,将軍から「家康の墓,東照宮を作るためヒノキアスナロはないか?」と問われ,盛岡藩は「ない」と答え,仙台藩は「ある」と答えたために,この山が仙台藩の御用山になったという話を書きました。

また,仙台藩にはもう1つこの山を手放さない理由があったと言われます。

ヒノキアスナロの樹皮の下の部分の繊維層を加工して火薬を塗り込んで,火縄銃の縄を作りました。

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仙台藩の軍事力の屋台骨を支えていたのです。
政宗の時代から「伊達の鉄砲好み」と言われる伊達藩。4万丁を越える火縄銃を保有していたそうです。

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明治になって藩が解体され,誰もが山に入れるようになると,多くのヒノキアスナロは伐採されましたが,この原生林は残ったのです。

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すると,原生林の中から巨石が顔を出しました!

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裏にまわります。

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クジラの頭が寄り添ったような巨石群です。

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いかに大きいか,人と比べてみましょう。

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これが下から突起物のように見えた岩かな。

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この場所は「日の出岩」と呼ばれ,山頂より高く1351メートルあります。

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この後は来た道を下山しました。

携帯電話の電池がなくなり,充電しながら下りました。下りの画像やYAMAPの地図はありません。

それにしても,本当にいい山でした。



この記事へのコメント

2025年06月27日 06:26
おはようございます。

 標高が低い割には本格的な登山をした満足が得られる山ですね。途中の樹林の様子を見ると、冬場の積雪の厳しさが分かりますし、蛇紋岩が多い貧栄養の土壌であることも想像できます。お花畑のような楽しみは無理なのでしょうかね。
2025年06月28日 07:04
あきあかねさん
おはようございます。ここはツツジとシャクナゲの名所なだけでなく,吉田類さんの番組ではツマトリソウ,タニウツギ,イソツツジなどの花が紹介され,花の名所でもあるようです。私も登山口近くで黄色い花の写真を撮ったのですが,名前がわからず載せませんでした。それに本当の頂上にある原生林は異世界の様相で,もう少し写真を撮っておけばよかったのですが。
忘れられない低山になりました。