Haiku in English on Sunday (672) 物申の声に物着る暑さかな

日曜日は俳句の紹介と英訳。
梅雨も明けないのに毎日こう暑くてはこの夏に耐えられるのか?
人間の個体として,地球の温暖化のスピードにについていけない感じです。

録音しているラジオにNHKラジオ第2の「日曜カルチャー」があります。
6月は能楽師の安田登さんが「人生に効く古典文学」として話をしてくださいました。
安田さんと言えば,よくテレビの「100分de名著」のゲストでもよくお見かけします。

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シリーズの第5回は「俳諧的生活のすすめ」
松尾芭蕉と横井也有(やゆう)の2人の俳人の話でした。

芭蕉はあまりにも有名ですが,也有という俳人は初めてでしたが,おもしろかったあ。
彼について詳しくは後日書くとして,今日は也有の一句。


物申の声に物着る暑さかな  横井也有
(ものもうのこえにものきるあつさかな)

電子句帳&季語例句辞典「俳句嚢」より。
横井也有は江戸中期の尾張藩士で俳人(1702-1783)。
多芸多趣味な人物として知られ,俳諧・俳文・武芸・平家琵琶・謡曲・書画・詩歌・狂歌など,あらゆる芸能に通じ,儒学も深く修めたようです。(これは自画像)

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「物申」(ものまう)は「ものもうす」つまり「ごめんください」で誰かが家に来ました。
これは困ったぞ。あまりの暑さに,裸同然で涼んでいたのですが・・・。

まあしょうがない,せめて何か羽織って玄関に出ます。
それにしても,この暑さはなんなんだ。どうにかしてくれ。


MONOMONO KOENI MONOKIRU

O音の連続,こうして聞くと「モ」の音が鬱陶しく感じてきます(笑)。


では,英訳してみます。

物申の声に物着る暑さかな  横井也有

Anybody home?
Should I stand and wear something?
How hot it is!



おもしろいなあ。現代人と変わらない。
也有については,もう少し書いてみたいと思います。


この記事へのコメント

2025年07月06日 06:24
おはようございます。

 第一印象が”なんか面白い”だったのですが、そうか、先生がご指摘された「o音の連続」だったのですね。勿論、この句が表す情景も滑稽なのですが、この「o音の連続」も、可笑しみが有りますね。

 今日も暑くなりそうなのですが、今週中に取材に行かなければならない所が3ヶ所あります。どうしょうかなあ…
2025年07月07日 05:56
あきあかねさん
おはようございます。この暑さにはまいってしまいます。
それにしても,今も昔も人間って変わらないものですね。次回以降ちょっと也有の文章について書いてみたいと思います。